今どきの新入社員は電話応対ができない?これで安心!電話応対マニュアル

最近の新入社員は、子どもの頃から携帯電話やスマートフォンでのやりとりが普通で、固定電話を使用した経験が少ない傾向にあります。(固定電話の使い方が分らない人も。。)しかも友人同士のやりとりは、LINEやメールによるテキストでのコミュニケーションがほとんどです。そんな新入社員が仕事以上に苦労をするのが、「電話応対」です。

そこで今回は、新入社員がスムーズに電話応対ができるようになるためのマニュアルを伝授致します。

電話の特徴

企業(組織)の代表である ・ あなたの電話応対イメージが会社のイメージに繋がる

姿が見えない ・・・・・・・ 声と言葉遣いのみでイメージが決まってしまう。誠実さが不可欠

一方的である ・・・・・・・ 掛ける時は「只今お時間宜しいでしょうか。」の一言を

コストが掛かっている ・・・ コスト意識を持ち、簡潔に

間違いが起こりやすい ・・・ 復唱確認も必要

 

電話応対の原則

迅速 ・・・ 電話ベルの回数(最低3コール以内)、保留時間

丁寧 ・・・ ビジネスに相応しい言葉遣いを使う

簡潔 ・・・ 話を整理し、ポイントを押さえた話し方をする

正確 ・・・ メモ・復唱を必ず行う

 

電話応対の心得

・ベルが鳴ったらすぐに出る

・明るく元気な声で名乗る

・ゆっくりと大きめの声で話す

 

・語尾を明瞭に

・正しい言葉遣いではっきり簡潔に

・曖昧は禁物、わからない事は確認する

・必ずメモを取る

 

電話応対で行ってはいけないこと

無視 ・・・・ 真剣に聞いていない、相槌がない

冷淡 ・・・・ 相手を見下した感じである

子供扱い ・・ 年配者に対する配慮が行き過ぎると、自尊心を傷つけてしまう

ロボット化 ・ 感情が伝わらない、無機質な声である

事務的 ・・・ 手続きする感じである、乱雑な対応である

マニュアル ・ トークスクリプトを棒読みしている、プラスαが必要

たらい回し ・ 責任のない対応をしている

 

電話で上記のようなことを犯すと・・

電話応対において、最も大切な事は「敬意を表わす」事です。

電話応対で上記のような大罪を犯すと、企業イメージを悪くするばかり ではなく、クレームに発展する場合もあります。その場合の最大の原因は、お客様に対する敬意が欠けているからです。電話をたらいまわしにしたり、面倒くさそうに話したり、口先だけで丸め込もうとしたり、お客様の都合より自社の都合を優先したり。お客様が不快に思われるのは、敬意が欠けているからと指導しましょう。

 

電話受付手順

①「お電話有難うございます。○○(会社名)、担当○○でございます。」と電話を取る。

②顧客会社名、部署名、担当者名、連絡先番号、取次ぎ部署名・担当者名を確認し、

必ず電話取次ぎメモに記入する。

③「かしこまりました。只今電話をお取次ぎ致しますので、少々お待ち頂けますでしょうか。」

④取り次ぎ先担当者に内線で連絡し、

「お疲れ様です。○○ですが、代表電話に××様より お電話です。」と伝える。

⑤不在の場合は、伝言を受けるか、折り返しを提案する事となるが、

まずはお客様に選択権を与える。

「申し訳ございません。○○は只今席を外しております。いかがなさいますか。」

その後、お客様意向を電話取次ぎメモに記入し、担当者に渡す。

電話受付対応例

既存業務顧客より、業務担当者への個人指名での取次ぎ依頼

受付:「お電話有難うございます。○○(会社名)、担当○○でございます。」

顧客:「○○会社の××ですが、△△さんはいらっしゃいますか。」

受付:「○○会社の××様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」

顧客:「こちらこそお世話になっております。」

受付:「△△でございますね。只今お取次ぎ致しますので、少々お待ち頂けますでしょうか。」

~内線~

△△:「お疲れ様です。△△です。」

受付:「お疲れ様です。○○ですが、代表電話に××様よりお電話です。」

△△:「有難うございます。」

 

電話応対のテクニック

「クッション言葉」

クッション言葉とは、相手への心遣いを表すソフトな表現で、人間関係を 友好に保つために配慮する言葉です。

利点として、やわらかい印象を与えることができ、且つ話の内容は明確に伝えることが出来ます。

状況

言葉

•相手に手間を取らせるとき •お急ぎのところ

•お忙しいところ

•お取り込みのところ

•ご面倒ですが

•恐れ入りますが

•お手数お掛けしますが

•ご迷惑とは存じますが

•ご足労おかけいたしますが

•用件を伺うとき

•相手に質問するとき

•よろしければ

•お差し支えなければ

•失礼ですが

•失礼と存じますが

•相手の期待に添えないとき

•違う意見を述べるとき

•断りを入れるとき

•申し訳ございませんが

•あいにくでございますが

•せっかくではございますが

•身に余るお話でございますが

•大変勝手を申して恐縮ですが

•せっかくお電話いただきましたが

•お言葉を返すようですが

<レッスン1>

依頼したいときは、依頼話法とクッション言葉をセットして使うと効果的です。

・「後ほど電話してください。」

恐れ入りますが、後程お電話頂けますでしょうか

・「しばらくお待ちください。」

申し訳ございませんが、しばらくお待ち頂けますでしょうか

<レッスン2>

相手の意向に添えないとき、断るときは、否定形の表現を肯定形の表現に変え、 クッション言葉とセットで使うと効果的です。

・「わたしでは分かりません。」

お力になれず申し訳ございませんが、私では判りかねます

・「私どもではそのようなことはできません。」

勝手を申して恐縮ですが、私どもではそのような事はできかねます

・「課長は、只今いません」

せっかくではございますが、課長は只今不在のようです

 

応対時の主な注意事項

1.企業名と名前の言い忘れが無いこと

2.明瞭な発音であること

3.企業名と名前が聞き取れるスピードであること

 

<声のポイント>

1. 明るいこと

声のトーンは、やや(2音)高め

2. 覇気のある温かい印象を与える

生き生きとした声

事務的・面倒な・雑な印象がない

受容の気持ち

3. お礼の後に「間」をとる

4. 語尾が下がっていたり、声に覇気が無かったりしていないこと

5. お客様をイメージして笑顔で話していること

 

<聞く(傾聴)ポイント>

・いい表情で興味ありげに聞く

・聞き上手にまわる話の腰を折らない

・うなずく、あいづちを打つ

・相手の話の部分を繰り返す

 

<ありがちなミス>

かける側

受ける側

☎ダイヤルする ♪♪(ベルが鳴る)
はい。OO(会社名)でございます。※1
犬神さんをお願いします。
かしこまりました。

失礼ですが、お名前を頂けますか。※2

申し遅れました。鈴木商事の工藤と言います。
申し訳ございませんが、

犬神は席を外しておりますが。※3

さようですか・・・。
えーと、宜しければ、私が承りますが。※4
発注済御社製品の発送状況について

お聞きしたいのですが。

申し訳ございませんが、発送状況については

私では判りかねますので、伝言を承り、早急に折り返しお電話をさせて頂きたいと思いますが。※5

では、先月発注した御社の「○○○○」について、

現在の発送状況をお知らせ頂きたいので、

その旨お伝え下さい。

ではご確認させて頂きます。

「○○○○」の発送状況についてですね。※6

犬神には私の方から申し伝えますので、

何卒宜しくお願い致します。

では、宜しくお願い致します。
では失礼致します。(電話を切る)

※1 お電話有難うございます。OO(会社名)、担当○○でございます。

※2 「名前を頂く」=禁止用語です。そもそも名前は頂くものではありません。

→正しくは「失礼ですが、お名前をお伺いできますでしょうか。」

※3、4、5 「~ですが」で終わっては NG です。

※4   以下は悪い口癖の例です。

「えー」「あのー」「えーと」「あー・・・」

※5 ・電話応対では「判りかねます」は NG であり、一般的にも好ましくありません。

→正しくは、「担当部署の者から、折り返しご連絡を差し上げたいと思いますが、宜しいでしょうか。」

・早急に=さっきゅうに

・担当不在時にすぐ「伝言承ります」は NG(選択肢はあくまで相手側に)です。

※6 ・ご確認させて頂きます~で宜しいでしょうか。

→「復唱させて頂きます」などは聞き取りづらいので、用いる場合は気を付けましょう

・「~ですね」や「○○様ですね」は NG です。

→正しくは「~でございますね」、「○○様でいらっしゃいますね」

 

対応スクリプトを作成し、ロールプレイングを行ってみましょう。

(例題1)佐藤課長へ日本株式会社の浜田様より入電。取り次いで欲しいとのこと。

かける側 受ける側
☎ダイヤルする ♪♪(ベルが鳴る)
①お電話ありがとうございます。OO(会社名)、担当○○でございます。
②おはようございます。

日本株式会社の浜田と申します。

③日本株式会社の浜田様でいらっしゃいますね。

いつもお世話になっております。

④こちらこそ、お世話になっております。

恐れ入りますが、佐藤様はいらっしゃいますでしょうか?

⑤佐藤でございますね。只今お取り次ぎ致しますので、少々お待ち頂けますでしょうか?

(保留)

 

(例題2)間違い電話の入電

かける側 受ける側
☎ダイヤルする ♪♪(ベルが鳴る)
①お電話ありがとうございます。○○(会社名)、担当○○でございます。
②そちらは、日本株式会社ではございませんか?
③いいえ。こちらは○○(会社名)でございます。

失礼ですが、何番にお掛けでしょうか?

④○○-○○○○-○○○○です。
⑤お掛け間違いのようでございますね。
⑥さようでございますか。大変失礼致しました。
⑦それでは失礼致します。

(電話を切る)

(例題3)日本株式会社の浜田様より、鈴木部長宛に入電。鈴木は外出中で 17時に戻る予定。先方より折り返し連絡するとの事。

かける側 受ける側
☎ダイヤルする ♪♪(ベルが鳴る)
①お電話ありがとうございます。○○(会社名)、総務課栗田でございます。
②私、日本株式会社の浜田と申します。
③日本株式会社の浜田様でいらっしゃいますね。

いつもお世話になっております。

④こちらこそお世話になっております。

恐れ入りますが、鈴木様はいらっしゃいますでしょうか?

⑤申し訳ございません。鈴木は只今外出して

おります。17時に戻る予定となっておりますが、

いかがなさいますか?

⑥それでは、また私から連絡させていただきます。
⑦さようでございますか。恐れ入ります。

念の為、ご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?

⑧はい。では申し上げます。

○○-○○○○-○○○○でございます。

⑨ありがとうございます。

では、確認させていただきます。

○○-○○○○-○○○○番、

日本株式会社の浜田様でよろしいでしょうか?

⑩はい。お間違えございません。
⑪では、鈴木が戻りましたら、お電話をいただいた旨申し伝えます。本日は私、総務課 の栗田が承りました。

失礼致します。

⑫失礼致します。

(電話を切る)

 

(例題4)日本株式会社の浜田様より、鈴木部長宛に入電。鈴木は外出中で 17時に戻る予定。 戻られたら電話を頂きたいとの事。

かける側 受ける側
☎ダイヤルする ♪♪(ベルが鳴る)
①お電話ありがとうございます。〇〇(会社名)、総務課栗田でございます。
②私、日本株式会社の浜田と申します。
③日本株式会社の浜田様でいらっしゃいますね。

いつもお世話になっております。

④こちらこそお世話になっております。

恐れ入りますが、鈴木様はいらっしゃいますでしょうか?

⑤申し訳ございません。鈴木は只今外出して

おります。17時に戻る予定となっておりますが、

いかがなさいますか?

⑥それではお手数ですが、お戻りになりましたらお電話いただけるようお伝えいただけますか?
⑦かしこまりました。

恐れ入りますが、ご連絡先をお願い致します。

⑧はい。では申し上げます。

○○-○○○○-○○○○でございます。

⑨ありがとうございます。

では、確認させていただきます。

○○-○○○○-○○○○番、

日本株式会社の浜田様でよろしいでしょうか?

⑩はい。お間違えございません。
⑪では、鈴木が戻り次第、お電話を差し上げるよう申し伝えます。本日は私、総務課の栗田が承りました。

失礼致します。

⑫失礼致します。

(電話を切る)

まとめ

上記の内容を踏まえて、新入社員には電話応対の反復練習をさせましょう。

人は、経験の少ないことをしなければならないときは緊張し、「できればやりたくない」と感じます。普段から固定電話に慣れ親しんできた世代とは違い、新入社員は固定電話を使用した経験自体が少ないのです。しかもそれが「仕事」となると、なおさらハードルが上がります。電話応対のマニュアルを作成することで、「やること」はわかりますが、それだけでは新人教育としては不十分。新入社員研修などの中で、実際にマニュアル通りに電話に出る練習をさせましょう。何度も練習を積み重ねることで自信がつき、実際の仕事の場面でも電話に出ることに抵抗がなくなります。


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