【人事・採用担当者向け】母集団形成に限界を感じていませんか?「少しの工夫で、採用決定率を格段に伸ばす方法」

選考結果の連絡、面接日程の調整、採用・不採用通知など、採用活動のさまざまなフェーズにおいて発生する応募者への連絡。業務効率化のため、応募者への連絡をルーティン業務の一つとして対応しているケースも多いのではないでしょうか。確かにテンプレート化・自動化することで、業務時間の短縮につながります。しかし一方で、応募者との連絡の取り方やタイミング、伝え方にちょっとした工夫をするだけで面接前辞退率を下げられるというのも事実です。

そこで今回は、採用成功に近づくための応募者との連絡方法をご紹介します。

 

採用決定率はスピードが命

「応募はあるけど、面接につながらない」など、応募後の進捗率が悪く、採用成功につながらないという企業も多いのではないでしょうか。

そんな時に重要になるのが選考スピードです。書類選考日数と採用決定数の関係性を示したのが、下記のグラフになります(図1)。

書類選考日数が短いほど採用決定率が高まる傾向にあり、選考スピードが採用成功において重要なポイントであることがわかります。

 


図1:書類選考日数と採用決定率の関係(パーソルキャリア調べ)

グラフ

※データの集計期間:2016年10月~2017年9月の各社の書類選考結果と日数を集計
書類選考日数が20日以上の書類は一律で20日として集計

 

選考・連絡が遅れることで面接調整が難しくなる理由

選考スピードが遅くなると下記の理由から面接日程の調整が難しくなってきます。応募があったらその日のうちに書類選考を行い、通過者には面接希望日を確認するようにしましょう。

 

● 応募者の志望意欲が低下する
応募直後は応募者の志望意欲も高く、早期に連絡することで企業側の熱意も伝わります。しかし、応募から時間がたつと、他企業からのアプローチもあるため、次第に志望意欲も下がってきます。

 

● 他企業の選考に影響を受けやすくなる
有効求人倍率が高く、転職希望者にとって優位なマーケットにおいて、応募先の選択肢が多く、同時期に複数の求人に応募するという方も少なくありません。

そのため書類選考を通過した場合、複数の企業から面接日の調整連絡が届くことになります。

応募者側は連絡が届いた順に面接の予定を組んでいくので、書類選考・面接設定の連絡が遅れると、他企業と面接設定しているため直近の予定が空いていないというリスクが高まります。

 

面接キャンセルをさせない アナログでのコミュニケーション

面接・説明会当日にキャンセルを防ぐにはアナログのコミュニケーションに手間をかけることが重要です。何気ない、ちょっとした一言の声掛けが他社との差別化に繋がります。

 


 

不採用でもNGメールは送らない。必ず「つづく」のメッセージを送る

採用充足によって本来であれば採用条件にあてはまる方であるにもかかわらず不採用通知を送らざるを得ない、もしくは別ポジションであれば採用したいが現在は採用を行っていないというケースもあるのではないでしょうか。そうした場合、不採用通知をうまく活用していただくことでタレントプール※につなげることもできます。

また、今の時代、雑な不採用の連絡をすればSNS・Facebookによりネガティブな書き込みが拡散し、企業のイメージに傷が付く事態になりかねません。

逆にここに手間をかけると、100名に5名は不採用メールに対して御礼の連絡があり、違う会社に入社した後で仕事のオファーを出してくれることもあります。不採用ではない、”続く”のメッセージはクレーム対応、さらにはファンとしての関係性が継続させることにも効果的です。

 

※タレントプールとは、『The War for Talent』にて提唱されたもので、今後の採用につながる可能性がある方をリスト化・データベース化しておくことを言います。


 

まとめ

人事・採用担当者にとっての悩みの多くは、応募者の「母集団形成」ではないでしょうか。そのため、つい母集団形成のための戦略に注力しがちですが、応募者を取り逃がさない戦略もまた重要です。「面接日程の調整ができなかった」「選考途中で辞退された」なんてことがないよう、小さな心配りが必要不可欠となります。応募者の立場に立ち、どのような心配りをされたら嬉しいのかを考えながら取り組むことが、採用成功への近道になるではないでしょうか。

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