Yahoo! ・メルカリ・ライフネット生命も実践!『待たない』採用とは?
就活スケジュールがコロコロと変わるここ数年、特に昨年度と今年度を比べるとかなり就活期間が短くなったことが特徴的です。短期化したことによって感じるのは、就活ナビサイトを通しての学生エントリーから始まる「待ち」の姿勢の就活の限界です。
そこで今回は、「待ち」の姿勢ではない「ダイレクトリクルーティング」を新卒採用に取り入れている企業をご紹介していきます!
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、デザイナー領域の新卒採用で『ViViViT』という採用媒体の利用を開始しています。
『ViViViT』というサービスは、デザインスキルや作品を検索し、
自社のピッタリあった人材を簡単にスカウトすることができるサービスのことです。
まずは、求職者・学生がサイト上にアップした作品を眺めながら、企業にピッタリのスキルを持った学生を探します。
気に入った学生を見つけたら、「話したい」ボタンを押し学生へのコンタクトを図ります。そして企業側と学生、お互いが「話したい」を押して初めてチャットが開始するのです。もちろん学生側からの「話したい」ボタンもあります。
この『ViViViT』サービスを導入したヤフー株式会社の採用担当者のコメントをご紹介します。
分かってきたのは、「デザイナー採用はそもそも人数を集めればいいというものではない」ということです。
母数を増やすというよりは、1人ひとりとの出会いを大切にして、しっかりとコミュニケーションをとっていく方が結果的にいい成果が生まれるなと感じています。
デザイナー採用をするには、多くの母集団を獲得できる従来の就活ナビは適していなかったということですね。学生の特徴やデザインを知りピンポイントにコンタクトを取ることで効率的な採用を実現しています。
ライフネット生命保険株式会社
ライフネット生命が新卒採用で実施したのは、『重い課題』です。これは社会的にも反響がありました。具体的には、学生にエントリーシートならぬ「エントリー論文」を提出してもらうというものです。
今年度の新卒採用のHPには以下のような内容で募集されています。
重い課題
AかB、どちらかの課題を選択して、提出してください。
課題A
最新のテクノロジーがこれからの生命保険会社に与える影響について、
プラス面・マイナス面の双方から考察してください。
課題B
「わたしの正直さ」
「わたしが応援される理由」
「わたしの弱さ」
上記3つのテーマを、それぞれ表現してください。
「重い課題」を実施した背景には、新卒採用が抱える一つの問題があります。
それは「新卒採用はとても非効率である」ことです。
人気企業の内定率は1%を下回り、99%の学生が落ちます。つまり、採用倍率100倍という採用活動に、企業も学生も割に合わないコストをかけているということです。
そこで、ライフネット生命は「本気で当社で働きたい学生」だけに受けてほしいと考え、「重い課題」を課すことにしました。採用へのエントリー自体は1万人以上いたので、通常なら3,000人くらいは選考に進んでもよさそうなものですが、「重い課題」を出したことによって、実際の応募人数はわずか50人。しかし、この50人は狙い通り、「本気で当社で働きたい」と思っている学生ばかりでした。
高いハードルを設けたことで、本気の人だけをあぶり出し、優秀な学生を効率よく採用することができたのです。
株式会社メルカリ
「明日からでも働ける人」というのを採用基準にしている株式会社メルカリ。
そんな株式会社メルカリが導入したのが『新卒GitHub採用』です。
GitHub(ギットハブ)とはソフトウェアを開発するプロジェクトに使用される、共有ウェブサービスのことを指します。
特別なESや履歴書の提出は必要なく、学生は
・ソースコード(GitHubアカウント等)、またはポートフォリオのURL(デザイナー)
・メールアドレス
の2つをエントリー画面に入力することでエントリーが完了します。
この手法のポイントが以下の3点にまとめられていましたのでご紹介します。
1.大手ナビ系媒体やHPに新卒採用ページも用意しない
情報が少ない中でも流入してきてくれるということは、候補者が “Go Bold” にチャレンジする意志がある方が多い。
2.入力項目が実力主義入力項目がソースコード(GitHubアカウント)やポートフォリオURL、そしてメールアドレスのみ。学歴や経験に関係なく、完全に実力主義の採用方法。仮に採用に至らなくても「メルカリってこんな採用手法やってるんだ!」というブランディングができればいい。
3.ミスマッチが少ないレジュメを集めて母集団を形成する採用戦略とは異なり、ミスマッチがあまりないことがこの手法のメリットでもある。
企業が求める人材”しか”そもそも応募できないような仕組みをつくることで効果的な新卒採用を実現しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
就活ナビサイトだけに頼らず、自社への志望度が高い学生、自社の適性に寄り合った学生に絞って選考を行う「ダイレクトリクルーティング」。
就活スケジュールの変動や高い離職率などにより、企業側も学生側も採用・就活のあり方が変わりつつあります。「待ち」の採用では通用しなくなる前に、1度「待たない」採用・「攻め」の採用をご検討されてはいかがでしょうか。
採用方法の見直しや、その他採用でお悩みがある方がコチラからご相談ください!
大石夏実
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