リーダーに求められるもの 知らないことをマネジメントする能力

 

『世界で最も称賛される人事』という本を読んで、

今回はある世界的にも有名な企業のリーダー育成法について紹介したいと

思います。

 

この企業はリーダー育成の基本のひとつに、複数のビジネスを経験させるために部門間の異動があります。

1つ例に挙げてみるとそこの会長はプラスティック部門からキャリアをスタートさせ、家電部門、ヘルスケア部門を経て会長のポジションに就いています。

 

なぜこのように異動が必要なのでしょうか?

 

企業が大きくなっていくにつれて多くの事業を行っています。そして当然ながらその企業のリーダーはそのすべての分野のマネジメントの責任を負います。もちろん、すべての事業分野に精通しているわけではありません。例で上で挙げた会長も6分野のうち半分の3分野しか経験していません。

 

そこで重要になってくるのが、一つの事業を細かく知っているのかよりも、

「知らないことをどのようにマネジメントするか」

が重要になってきます。

この企業が早い段階から、リーダーに様々な分野のマネジメントを経験させるのは、知らないことをマネジメントする方法を身に着けるためなのです。

 

そして様々なビジネスを経験することは他にもメリットがあります。

 

1.視野が広がる

一つのビジネスの中だけで育ってしまうと、考え方がその中で凝り固まってしまいます。さらに、一つの業界のみにとらわれない営業スキルが身に付きます。これにより課題を早く見抜き、迅速に結果を出す方法が身に付くのです。トップになると様々な課題がそれぞれの部署から上がってきます。その際にそれぞれの課題について、時間をかけずに、素早く判断しなくてはなりません。そして結果を残す必要があります。経験により柔軟かつ素早い判断ができるようになるのです。

 

2.社員の成長

次々と新しいことをチャレンジさせることによって、人間を成長させる狙いもあります。新しい分野の事業を担当することによって、勉強をし上昇志向を持つようになるようです。部門間異動によって、境界のないマネジメントを実現し、企業としてのオープンな文化を創り出せます。そして、多岐にわたるビジネスを手がけ、複数の経験が必要不可欠になります。

 

さて、ここでトップとして問題になってくるのが

 

「知らないことをマネジメントする」

 

ということです。

トップに近づいていくにつれ、多くのことが部下から報告されるはずで

す。もちろん自分がよく知っているビジネスについては自信をもってアドバイスや的確な

指示を与えられることができます。

しかし、そのビジネスが部下のほうが詳しく経験も豊富な場合はどうでしょう。もし全く

知らないことが上に上がってきた場合にどのような事情なのか、どこに課題があるのか、

どこに課題があるのか、どのようなアクションを今後取っていけばいいのかなどを「質問」

する能力が重要になってきます。

なぜ起きてしまったのか、原因は何が考えられるかをどんどん質問し、今までの経験をい

かし、多方面の視野で専門家では考えられないような指摘をする能力です。この結果とし

て、専門家を刺激し、新しい考え方を生み出していけます。

私は『世界で最も称賛される人事』という本を読んでいてなるほどな、と思いました。

私は正直企業のトップとなるとその企業が展開している事業すべてに精通しているスペシ

ャリストだと思っていました。つまり超人です…

すべてではなくとも多くのことを経験しているのは当たり前で、「知らないことをマネジメ

ントする」能力を持っている人間がトップとしてふさわしい人物だと知ることができまし

た。

まだ、入社もしていない自分ですが、数年後にプロジェクトリーダー、グループリーダー

になったときに活かせることを知り、何か得な気分です。。

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