事業所ごとの労働保険・雇用保険を一括することのメリットは?

複数の事業所ごとに行っている労働保険年度更新と雇用保険の手続きをまとめて本社に一括することを検討しています。
メリットとデメリットを教えてください。

回答

労働保険の継続事業の一括手続きとは、複数の事業所を有する事業主が一定の要件を満たす場合に、労働保険の手続きを本社等で一括して行うことができる制度です。
要件としては、以下が求められます。

・継続事業であること
・指定事業と被一括事業の事業主が同一であること
・同じ保険関係区分であること
・労災保険料率表による事業の種類が同じであること

労働保険における一括手続きのメリットは、労働保険料の年度更新や納付を一括できることによる手続き・事務負担の大幅な軽減、労働保険番号の一括管理による書類管理の容易化、全事業の平均的な料率が適用される労働保険料率の平均化です。
デメリットとしては、事業所別の保険料確認には別途集計が必要なこと、高リスク事業所と低リスク事業所が混在する場合に個別のリスクが見えにくいこと、業種が異なる場合やメリット制適用事業所では高い料率が全体に適用される可能性があることが挙げられます。
なお、労働保険料の納付は一括化されますが、労災事故の届出は各事業所所轄の労働基準監督署に行う必要があります。

雇用保険の一括手続きとは、人事給与管理が事業所単位で独立しておらず、本社等で一元管理されている状況である場合に雇用保険事務手続きを本社等に一本化できるものです。

雇用保険における一括手続きのメリットは、雇用保険事務手続きを本社等で一元管理できる窓口の一本化と、従業員の事業所間異動時に雇用保険転勤届が不要になる手続きの簡素化です。
デメリットは、人事給与管理が事業所単位で独立している場合や役員が工場長などを兼務している場合に一括が否認される可能性があること、事業所別の保険料確認には別途集計が必要なこと、事業内容の変更などで後から個別管理に戻す際に事務作業が発生することです。

一括手続きは、事務負担の軽減や手続きの一元化という点で大きなメリットがある一方、事業所別の保険料やリスクの可視化が難しくなること、業種や労災リスクの違いによっては料率面で不利になる可能性があることに注意が必要です。
導入にあたっては、自社の事業特性や管理体制を十分に検討し、メリットとデメリットを比較検討した上で判断することが重要です。
また、一括手続き採用後も、事業内容の変更や組織再編などで状況が変わる可能性があることを念頭に置き、定期的に適否を見直すことが望ましいと言えます。
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公開日: 労働保険手続き

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