年末調整で適用するのは新制度?旧制度?

令和7年12月1日に法改正が行われ、年末調整では改正後の制度により計算することになると聞きました。
ただ、12月1日以降に給与や賞与の支払いがない人は改正前の制度で年末調整を行うとも聞きます。
同じ年の年末調整なのに、異なる制度で計算を行うのはなぜなのでしょうか。

回答

お問い合わせの件につきまして、結論から申し上げますと、以下のとおりとなります。

令和7年12月1日以降に給与・賞与の支払いがある人
 ⇒ 改正後の制度で年末調整を行います。

令和7年12月1日以降に給与・賞与の支払いがない人
 ⇒ 改正前の制度で年末調整を行います。

年末調整は、給与所得者に対して行う1年間の税金の精算処理ですが、原則として
「年の最後に支払われる給与・賞与の支給時に行う」
と定められています。

そのため、12月に給与・賞与の支払いがない場合は、11月以前に最後に支払われた給与・賞与のタイミングで年末調整を行うことになります。

また、年末調整の計算では、その支払い時点で適用されている法制度が用いられます。

以上により、12月に給与・賞与の支払いがない場合には、11月以前の支払い時点での法制度(=12月1日施行前の制度)に基づいて年末調整を行う必要があります。

12月1日という、年末調整直前の時期に制度改正が行われたため、本年の年末調整は特に注意が必要です。
お間違いのないよう、正しい制度に基づいて年末調整を行ってください。

ただし、12月に給与・賞与の支払いがなかった方でも、年末調整後に確定申告を行うことにより、改正後の制度の適用を受けることができます。
12月に給与・賞与の支払いがなく、改正前の制度で年末調整を行った方に対しては、確定申告を行うことで改正後の制度の適用を受けることができる旨をご案内いただくのがよろしいかと存じます。

※ 年末調整で改正後の制度を適用した場合と、確定申告で改正後の制度を適用した場合では、最終的な所得税額に差はありません。
ただし、上記の理由により、12月1日以降に給与等の支払いがない方については、年末調整の時点では改正後の制度を適用できませんのでご注意ください。
The following two tabs change content below.

HALZ人事メディア

人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人HALZグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by HALZ人事メディア (全て見る)

公開日: 税務・税法

PAGE TOP ↑