同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の違いは?

同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の区別がいつもつかず、分からなくなります。改めてご教示ください。

回答

 同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者は、厳密に区分されているわけではなく、一部の範囲が重なり合うのが混乱しやすい要因です。
それぞれの定義と使われる場面を整理します。

① 同一生計配偶者
以下の要件をすべてを満たす配偶者をいいます。

・民法の規定による配偶者であること(内縁関係は含まれません)
・その年の年末(年途中死亡の場合は死亡日)において、生計を一にしていること
・青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
・合計所得金額が58万円以下(給与収入換算で約123万円以下)であること

この条件に該当し、かつ障害者である場合には「障害者控除」の対象にもなります。
また、同一生計配偶者には納税者本人の所得制限はありません。


② 控除対象配偶者
上記①「同一生計配偶者」に該当し、かつ次の要件を満たす場合をいいます。

・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下(給与収入約1,195万円以下)

控除対象配偶者がいる場合は、年末調整時に「配偶者控除」を受けることができます。


③ 源泉控除対象配偶者
以下の要件をすべて満たす配偶者をいいます。

・民法の規定による配偶者であること(内縁関係は含まれません)
・その年の年末(年途中死亡の場合は死亡日)において、生計を一にしていること
・青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
・合計所得金額が95万円以下(給与収入換算で約160万円以下)であること
・納税者本人の合計所得金額が900万円以下(給与収入約1,095万円以下)であること

源泉控除対象配偶者がいる場合は、毎月の給与計算時(源泉徴収)における所得税額が軽減されます。
年末調整では、配偶者の所得に応じて「配偶者控除」または「配偶者特別控除」のいずれかが適用されます。


これら3つの用語は、「いつ使うか」と「誰の所得を基準にするか」で使い分けます。
毎月の給与計算で所得税を軽減する・・・「源泉控除対象配偶者」
年末調整で配偶者控除を受ける・・・「控除対象配偶者」
それらの前提となる広い概念・・・「同一生計配偶者」

年末調整書類(扶養控除等申告書/配偶者控除等申告書)を確認しながら、
「どのタイミングでどの言葉を使っているか」を整理しておきましょう。
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公開日: 税務・税法

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