時短勤務になる人の基本給以外の固定給の変更

弊社では時短勤務の導入を検討しています。

所定労働時間が通常8時間のところ、7時間、ないし6時間への減少を想定しています。

時短勤務者の給与額を検討するにあたり、基本給は時間数に応じて7/8、6/8に割合減少させる想定ですが、その他の手当も単純に減少する時間に応じて割合減少させても問題ありませんでしょうか。

回答

回答いたします。
基本給に関してはご認識の通りですが、
その他の手当については、手当の性質によって個別に検討が必要かと存じます。
下記に具体例を挙げさせていただきます。
御社の事情に合わせて個別にご判断いただければと思います。


〇通勤手当
通勤手当の計算方法にもよりますが、一般的には固定額・ないし勤務日数に応じた支給になるケースが多いため、時短勤務への変更で勤務日数が変動しない場合、通勤手当は変動しないのが妥当かと存じます。

〇役職手当
役職手当は、本来職責に応じて支給するものですので、その観点でいえば減額しないのが妥当です。
ただ、実務上役職手当を事実上基本給の延長線上で運用している場合もあるかと思います。
その場合は基本給同様役職手当も減額する方法もありえるかと思います。
役職手当に限った話ではありませんが、どのように運用にするかを明確に定めておき、事例ごとに扱いが変わることのないようにする必要があります。

〇住宅手当
住宅手当は、従業員の家賃補助として、家賃額を基準に金額を算出されるケースが多いかと存じます。
そのため、勤務時間に応じて変わる手当ではない以上、減額しないのが妥当かと存じます。

〇固定残業手当
まず、固定残業手当は一般的に、「想定される残業時間」×「残業単価(時給相当額)」で計算されます。
このうち、「残業単価」については固定給に応じて決定されるため、基本給の減額に伴い自動的に減算されます。
一方、「想定される残業時間」については検討の余地があります。
時短勤務者はあまり残業を行わないという想定の場合、「想定される残業時間」を減少させることになりますが、固定残業代は性質上基本給と合わせた金額で給与水準が決定されている場合も多く、単純に固定残業時間を0にしてしまうと固定給合計額が大幅に下がってしまう場合もあります。
もちろんそういう運用でも間違いではありませんが、
① 固定残業時間は変動させない
② 固定残業時間を減少させる
③ 固定残業時間を0にする
のいずれの選択肢を取るにせよ、御社の状況と給与水準、スタッフ側の認識や実際の残業時間等、様々な面を考慮したうえで検討して決定する必要があるかと存じます。


時短勤務を導入される場合は、これらの点をふまえ、手当ごとに個別に検討したうえで、
時短勤務に転換した場合の各手当の取り扱いについては
就業規則に明記して、労務トラブルの防止を図っていただくのがよいかと存じます。
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公開日: 賃金

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