政府が示す「就職・採用活動日程」は、企業に対する要請であり、法的拘束力はありません。しかし、企業はこの要請を尊重し、学生の学業への配慮や公正な採用活動の実施が求められます。

政府は、学生が学業に専念しつつ安心して就職活動に取り組めるよう、以下のスケジュールを原則とするよう要請しています：

広報活動開始：卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始：卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日：卒業・修了年度の10月1日以降

ただし、これらは法的な強制力を持つものではなく、企業に対する要請事項です。そのため、企業がこのスケジュールを遵守しない場合でも、直ちに法的な制裁が科されるわけではありません。しかし、学生の学業への影響や公正な採用活動の観点から、企業にはこれらの要請を尊重することが期待されています。

近年、採用活動の早期化が進んでおり、政府の要請するスケジュールよりも早い時期に内々定を出す企業も増えています。例えば、2025年卒の学生に対する調査では、6月1日時点での内定率が82.4％と高い水準に達しており、これは2017年卒以降で最も高い数値となっています。
また、文理・男女別の内定率を見ると、以下のような傾向が見られます：

文系女子：91.7％
理系女子：91.3％
文系男子：89.6％
理系男子：89.6％

地域別では、甲信越が最も高く96.6％、次いで北海道93.4％、関東90.1％と続いています。

このような状況は、学生の学業への影響や就職活動の長期化といった課題を引き起こす可能性があるため、企業は採用活動のスケジュールを慎重に検討し、学生への配慮を行うことが重要です。