リハビリ出勤時の給与の取扱いは?

うつ病により休職していた従業員が復職することになりました。

提出された主治医の診断書には、「1日2時間程度の勤務なら可能」との記載がありました。

このリハビリ出勤期間の給与の取扱いについてご教示ください。

回答

リハビリ出勤で従事した作業が法的にどのような性質を持つのかによります。
厚生労働省から出ているガイドライン「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引」によると、「試し出勤:職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する。」とされています。試し出勤(リハビリ出勤)は正式な職場復帰前に行うものであり、復職を判断する目的としての検討材料のひとつとして取り扱われますので、リハビリ出勤期間は休職期間ということになります。

次にこのガイドラインではリハビリ出勤期間の賃金の取扱について、「作業内容が業務(職務)に当たる場合などには、労働基準法が適用される場合がある」としており、作業が会社の指揮命令によるものか否かにより業務に当たるかの判断をすることになります。会社の指示に従っているのであれば、業務として労務の提供となりますので賃金の支払いが必要になります。

無給とする場合には、そのリハビリ出勤が実質的に「労働」とは評価できず、あくまで治療の一環や職場適応訓練としての性格が極めて強い場合になります。
具体的には、以下のような要素を総合的に考慮して判断されます。

・医師の指示や意見に基づき、治療計画の一環として行われる
・本人の自由な意思に基づき、時間や内容について本人の裁量が大きい
・会社からの具体的な業務指示や指揮命令がない。
・成果や完成義務が課されていない

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf
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