Z世代の新入社員の価値観と定着率向上

最近の新入社員(Z世代)は「すぐ辞める」と言われますが、定着させるにはどうすればよいですか?

回答

✅ Z世代の特徴
1.仕事よりプライベートを重視
 ・ワークライフバランスを大切にし、長時間労働を敬遠する傾向が強い。
 ・「働くために生きる」のではなく、「自分らしく生きるために働く」という価値観。
 ・仕事選びの重視ポイントには「ワークライフバランスの確保」「成長機会」「給与水準」などが挙げられる。
 ・給与だけでなく、プライベート時間の確保が重要視されている。
 ・SNSでの情報収集が中心
2.就職活動では企業の公式情報だけでなく、**口コミサイト(OpenWork・Indeedなど)**を活用。
 ・企業のリアルな働き方・文化が透明化されることを求める。
3.会社の「意義・社会貢献性」に共感することが重要
 ・自分の仕事が「社会にどんな価値を提供するか」に強い関心を持つ。
 ・SDGs・ESG経営に注目し、単なる利益追求型企業には魅力を感じにくい。
4.個別対応を好み、画一的なルールを嫌う
 ・一律のルールよりも、個人の希望に合わせた働き方を求める。
 ・例: リモートワーク選択制、副業許可、フレックスタイムの導入。

✅ 企業の対応策
1.早期離職防止策として、キャリアパスを明確化
 ・3年後・5年後の成長イメージを示し、短期的な目標を設定。
 ・ジョブ型雇用やスキル開発プログラムで自律的なキャリア形成を支援。
 📌 実施例
 ・キャリア面談を定期的に実施し、社員一人ひとりの目標を共有。
 ・若手でも挑戦できる「社内公募制度」を導入。
2.社内SNSやオープンなコミュニケーション文化を促進
 ・SlackやTeamsやRemottyなどを活用し、階層を超えたコミュニケーションを奨励。
 ・フィードバックを積極的に行い、評価の透明性を確保。
 📌 実施例
 ・経営層と若手社員をつなぐ「1on1ミーティング」の導入。
 ・社員が自ら発信できる「社内ブログ」や「オンライン掲示板」を設置。
3.メンター制度を導入し、相談しやすい環境を作る
 ・上司以外に頼れる存在を設け、心理的安全性を担保。
 ・仕事・プライベート両面でのサポートを強化。
 📌 実施例
 ・年次が近い先輩が指導する「バディ制度」を導入。
 ・「ピアサポート」(同僚による支援)を活用し、社内のつながりを強化。
4.多様な働き方を推進
 ・フルリモート・フレックスタイム・副業許可などを柔軟に提供。
 ・ライフステージに応じた働き方の選択肢を用意。
 📌 実施例
 ・週4日勤務・セミリモートワーク制度の導入。
 ・副業申請制度を整備し、スキルアップを支援。
 
💡 実務対応のポイント
1.「育成」ではなく「共に成長する」姿勢を持つ
 ・上から教えるより、「対話型マネジメント」で成長を支援。
 ・1on1面談を重視し、定期的に価値観を共有する。
2.短期成果を重視し、評価を見える化
 ・即時フィードバックを心がけ、努力を見逃さない。
 ・成果だけでなく、「プロセス評価」も強化。
3.柔軟なキャリア形成を支援
 ・早期に専門性を磨ける「スキル特化型研修」を提供。
 ・社内副業やキャリアチャレンジ制度を整備。

📚 参考資料
厚生労働省「若者雇用実態調査」(2022年)
若者雇用実態調査 (厚労省)

厚生労働省「働き方の未来 2023年版」
働き方の未来 (厚労省)

経済産業省「未来の教室とEdTech研究会報告書」(2023年)
未来の教室 (経産省)

リクルートワークス「2023年版 若手の職業意識調査」
リクルートワークス研究所
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