退職者から貸与品の返却がない場合の対応とは

退職者から貸与品返却がなく困っています。退職日は既に過ぎており、当初の返却日を過ぎている状況です。
最終的な期日を定めつつ返却がない場合には損害賠償も検討しております。
未返却の貸与物の中にはPCも含まれており、企業として機密情報が漏洩する可能性があります。

回答

判例によると、故意または重大な過失がある場合に損害賠償請求が認められる傾向にありますが、得られる金額は大きくはなく、一部の請求を認めることが多い傾向です。
損害額は、因果関係のある実損害に限られ、PC等の経年劣化などを差し引いた金額になり、そのうち求償できる金額は、会社様と従業員様の種々の状況を鑑み一部に留められる場合がございます。
返却を急ぐお気持ちはあるかと存じますが、損害賠償請求を行った場合の費用対効果は高くない可能性が考えられます。
また、性急に法的な措置を取ることを示すとご本人様の反発を生むことも考えられました。

損害賠償請求は最終的な手段である抑止力として示唆しつつも、文書ではその時点までの経緯を記載し記録としておきながら、段階的に進めることが良いと考えます。損害賠償請求までの間に以下の方法が考えられました。
・故意に返却しないことで窃盗、横領にあたる可能性があることを伝える
・身元保証人、緊急連絡先への連絡
・内容証明郵便による複数回の催促
・退職後の最終給与の支払いを現金支給に変更し貸与品との直接受け渡し
・自宅訪問
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