持株奨励金 課税対象?報酬には含まれる?

 弊社で持株会の設立・運営を開始する予定です。
その際、持株奨励金の支給も検討しておりますが、持株奨励金は課税対象となるのか、社会保険料等の算定対象になるのか等、ご教示をお願いします。

回答

 まず所得税ですが、持株奨励金は課税対象となります。
持株奨励金は、従業員が自社株を購入する際に会社が福利厚生を目的として支給するため、通常の給与と同様に「給与所得」として所得税が課されます。
給与として課税となる為、年末調整を行えば別途確定申告も不要となります。

 次に雇用保険ですが、通常の給与が労働の対価であるのに対し、持株奨励金は自社株取得促進の為の支援金と考えられるため、雇用保険の算定基礎に含めません。

 最後に社会保険ですが、従業員が自由意志のもと持株会に加入できる場合には、持株奨励金は原則社会保険上の「報酬」には含まれず、持株会への加入が強制的な場合には「報酬」に含めることとなります。
 しかし、加入が強制ではなくても、実態として従業員のほとんどが加入している場合には、報酬に含めると判断される場合があります。報酬に含めると判断される従業員の加入割合等は明確にはされていませんが、過半数以上ですと報酬に含めると判断される可能性が高くなります。会社の運用に合わせて管轄の年金事務所に都度確認すると良いでしょう。

 このように、所得税・社会保険・雇用保険によってそれぞれ考え方が異なる為、持株会を導入する際には十分注意しながらすすめましょう。
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公開日: 福利厚生 福利厚生

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