大量に離職する際の手続きについて

弊社は東京に本社があり、新潟に工場がありますが来年10月に新潟工場を閉鎖する予定です。

閉鎖するにあたり、希望者は東京本社に異動することも提案しておりますが、50歳以上の社員が多く全社員40名のうち35名が退職する見込みで退職理由は退職勧奨として、会社都合の退職となります。

通常の退職の手続き以外にすることはありますでしょうか。

回答

まず、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の喪失手続きは通常同様に行ってください。

そして、事業規模の縮小等に伴って従業員の離職が余儀なくされる状況となった場合、事業主は、離職する従業員の再就職活動を援助するなど、本人の職業の安定を図るよう努める必要があります。(労働施策総合推進法第6条)
次のような場合には、事業主からハローワーク等に届出や通知を行うことが必要です。

①一定期間内に相当数の離職者が発生する場合
・「再就職援助計画」の作成
事業規模の縮小等に伴い、1か月以内に30人以上の労働者が離職を余儀なくされることが見込まれる場合、最初の離職が発生する1か月前までに「再就職援助計画」を作成し、ハローワークに提出し、認定を受けなければなりません。(労働施策総合推進法第24条)

・「大量雇用変動届」の提出
自己の都合又は自己の責めに帰すべき理由によらないで、1か月以内に30人以上の離職者が発生する場合、最後の離職が発生する1か月前までに、その離職者の数等について、ハローワークに「大量雇用変動の届出」をしなければなりません。(労働施策総合推進法第27条)

②高年齢者等が解雇等により離職する場合
・「多数離職届」の提出
雇用する高年齢者等が1か月以内に5人以上が解雇等により離職する場合は「多数離職届」をハローワークに提出しなければなりません。(高年齢者雇用安定法第16条)

・「求職活動支援書」の作成
解雇等により離職する高年齢者等が再就職の支援を希望する場合は、職務経歴などの高年齢者等の再就職に資する事項などを明らかにした「求職活動支援書」を作成し、高年齢者等に交付しなければなりません。(高年齢者雇用安定法第17条)
(引用 厚生労働省:従業員が離職する際に必要な措置)

今回は1か月以内に30人以上の労働者が離職する予定であり、そのうち高年齢者等が5人以上含まれるようですので、①②の届出が必要となります。

また、この他にも障害者を解雇する場合や、雇用保険に加入していない外国人の方が離職される場合は所定の届出が必要になりますので、ご確認のうえ手続き漏れがないようにご注意ください。
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