住宅手当は割増賃金の対象となる?

弊社では従業員に会社の福利厚生の一環として、住宅手当の支給を検討しています。現在、諸手当として通勤手当のみ支給しています。住宅手当は割増賃金の対象から除外してよいものでしょうか。支給基準は、住宅区分(賃貸、持家)、かつ、勤続年数によって定額制で支給を考えております。

回答

労働基準法第37条にて、「使用者は労働者に時間外、休日労働、深夜労働を行わせた場合は、法令で定める割増率以上の率で算定した割増賃金を支払わなければならない」とされています。月給制の場合などは、各種手当も含めた賃金を1か月の所定労働時間で割り、1時間当たりの賃金額を算出しますが、労働と直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支給されることなどより、基礎となる賃金から除外することができる手当として以下があります。

① 家族手当
② 通勤手当
③ 別居手当
④ 子女教育手当
⑤ 住宅手当
⑥ 臨時に支払われた賃金
⑦ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
但し、上記の中で、家族手当、通勤手当、住宅手当について除外できる手当の具体的範囲があり、住宅手当に関しては以下の例があります。
【除外できる例】
住宅に要する費用に定率を乗じた額を支給するもの。賃貸住宅居住者に家賃の一定割合、持家居住者にはローン月額の一定割合を支給する場合。
【除外できない例】
住宅の形態ごとに一律に定額で支給するもの。
例)賃貸居住者には2万円、持家居住者には1万円を支給する場合。

御社がご検討されている住宅手当の支給基準では、除外できない例に該当しますので、割増基礎の賃金に含める必要がございます。
福利厚生の一環として諸手当等を新設する場合、割増の賃金対象となるかを含めご検討の上、運用いただければと存じます。
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公開日: 時間外手当

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