内定者に就業規則を見せるべき?

来年4月に入社予定の内定者から、就業規則が見たいと申し出がありました。
就業規則は社内のネットワーク上で閲覧できますが、入社前にはそのネットワークには入れないことになっています。
そもそも内定者に就業規則を見せなければならないのでしょうか?

回答

労働基準法106条において、使用者は就業規則を周知することが義務付けられており、労働者が閲覧を希望すればいつでも閲覧できるような状態にしておく必要があります。
また、労働契約法第7条では、「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容はその就業規則で定める労働条件によるものとする。」とされています。
内定の段階において労働契約が成立した状態とするなら、就業規則が周知されていなければ就業規則を適用することができないことになりますので、入社前であっても申し出に応じる必要ががあるといえます。

社内ネットワークで閲覧ができない場合、入社前の内定者に社内文書である就業規則を渡すことについて抵抗があるかもしれません。
その場合は、社外秘であり取扱いに十分に注意するよう伝えた上で写しを交付する、あるいは、就業規則のうち労働条件通知書に記載のある内容や、事前に確認して欲しい重要な事項を抜粋したものを別途作成し、それを労働条件通知書と一緒に交付するということも考えられます。

以上のように、入社してから就業規則を周知するという対応では不十分となりますので、入社前に閲覧を求められた場合にも応じられる体制を整えておく必要があります。
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公開日: 労務管理

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