「永年勤続表彰」課税対象?報酬には含まれる?

当社で永年勤続表彰の導入を検討しております。勤続5年・10年・15年と、5年おきに一律で支給する予定ですが、こちらは課税対象になるのか、社会保険の観点から報酬等に該当するか等、ご教示ください。

尚、支給品は現金、商品券、記念品等はまだ決定しておらず、お祝いの範囲を超えない金額相当のもので検討をしています。

回答

 まず課税対象か否かですが、永年勤続表彰を現金や商品券で支給する場合と、記念品や旅行、観劇への招待費用の負担とする場合では、それぞれ処理が異なります。

【永年勤続表彰を商品券や現金などで支給する場合】
その全額が給与として課税対象となります。

【記念品や旅行、観劇への招待費用とする場合】
以下の要件をすべて満たしている場合は、給与として課税しなくてもよいこととなっています。
(1) その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。
(2) 勤続年数が概ね10年以上である人を対象としていること。
(3) 同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときから概ね5年以上の間隔があいていること。
※但し、ご本人が記念品を自由に選択できる場合には、その記念品の額が給与として課税されますのでご注意下さい。


 次に社会保険上報酬等に該当するか否かですが、永年勤続表彰については会社によって様々な形態で支給される為、その内容に基づいて判断を行う必要があります。
 少なくとも以下の要件を全て満たす場合には「恩恵的」に支給されるものとして報酬等に該当しません。
(1) 表彰の目的
 企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。なお、支給に併せてリフレッシュ休暇が付与されるような場合は、より福利厚生としての側面が強いと判断される。
(2) 表彰の基準
 勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。
(3) 支給の形態
 社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね5年以上のもの。

 今回の場合は上記の要件をすべて満たす内容で検討されている為、報酬等には該当しないと判断しますが、上記の要件を満たさなかった場合でも直ちに「報酬等」と判断するのではなく、永年勤続表彰の性質について十分確認した上で、総合的に判断することが必要です。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 税務・税法

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑