海外で中絶手術をした場合海外療養費を受給できる?

弊社で妊娠していた従業員がおりますが、検査をしたところ胎児が遺伝性疾患群に罹患していることが判明し、医師から中絶を勧められ先日中絶手術をしました。
また日本で検査する場所がなく、かつ22週に近かったため(日本では22週以降の中絶は法律で禁止されている)日本に戻れていたとしても手術が間に合わない事情がありました。
この場合は海外療養費を受給することは可能でしょうか?

回答

結論から申し上げますと今回の場合は、海外療養費の受給は認められません。
以下その根拠となります。

検査のためもしくは治療のために渡航している場合は、
支給要件である「海外で急な病気にかかり、やむを得ず海外で治療を受けたとき」に該当されません。
仮に治療以外の目的で渡航していた場合であっても、中絶手術は保険外適用であり、
海外療養費は保険適用される療養部分のみが給付の対象になります。
また、遺伝性の疾患によるものは給付の対象外となります。
以上のことより、海外療養費の給付の範囲に該当しないため受給することは出来ないことになります。

一方で出産育児一時金につきましては、海外の出産も受給対象となりますので、
受給を希望される際には、下記書類をご準備していただけますと幸いです。

・死産証書
・パスポート等の出産した期間において実際に海外に渡航していた事実が確認できる書類
・協会けんぽが当該海外出産を担当した海外の医療機関等に照会することに関する当該海外出産をした者の同意書
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