産前産後休業取得予定社員の年次有給休暇について

当社で6月より産前産後休業を取得する社員がおりますが、現時点で年次有給休暇5日を取得することが困難な場合、事業主側から取得を勧奨することは法的に問題ないでしょうか?
当社では事業主側からの指定は行わず、社員からの申請に基づき取得するという形で進めております。
ご教示下さいますよう、よろしくお願いいたします。

回答

年次有給休暇5日取得義務化については、以下の条件を満たす必要があります。

対象者は年次有給休暇が10日以上付与される労働者であれば、雇用形態は問われません。

労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させる必要があります。
時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取しなければならず、出来る限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するように努めなければなりません。
 
既に5日以上の年次有給休暇を請求もしくは取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。
 
産前産後休業取得予定者の方については、基準日からの1年間について、それ以前から休職しており、期間中に一度も復職しなかった場合など、使用者にとって義務の履行が不可能な場合には、法違反は問われるものではありません。

基準日時点で、既に休職に入っている場合、基準日から5日以内に休職に入る場合など、実質的に5日取得が不可能な場合は、法違反を問うものでないということになりますが、基準日から起算し5日取得が可能である場合は、法違反として取り扱われることとなりますため、使用者側の取得を勧奨するという点については、法的に問題とはなりませんが、年5日の時季指定義務などの対応が必要となり、年次有給休暇の5日取得をさせる必要があります。
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公開日: 労務管理 有給休暇

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