同月得喪の社会保険料について

先日、年金事務所から「同月中に被保険者資格を取得・喪失された被保険者に関するお知らせ」という手紙が届きました。

厚生年金保険料を返還するような内容が記載されておりますが、よく分かりません。

これはどういう事なのか教えて下さい。

回答

まず社会保険料の徴収は、原則として月末時点で被保険者資格があるかどうかで判断します。(厚生年金保険法第19条)しかし、資格取得と資格喪失が同月内に発生した場合は、例外として、前記した「月末時点で被保険者資格があるかどうか」に関わらず、月の途中に喪失したとしても1か月分の社会保険料が発生します。(厚生年金保険法第19条第2項)

ただし、厚生年金保険の資格を取得した月にその資格を喪失し、さらにその月に厚生年金保険または国民年金の資格を取得した場合は、先に喪失した厚生年金保険料等の納付は不要となります。(厚生年金保険法第19条第2項ただし書)
そのため納め過ぎた厚生年金保険料等は会社に返還されることになります。

今回、年金事務所から送られてきた「同月中に被保険者資格を取得・喪失された被保険者に関するお知らせ」とは、すでに被保険者資格を喪失された方の中で、厚生年金保険の資格喪失後、年金事務所が同月中に厚生年金または国民年金に加入したことを確認したため、厚生年金保険料を該当者に返還する必要が発生したことをお知らせする内容となります。

厚生年金保険料の還付方法としては基本的には今後発生する厚生年金保険料等から調整(減額)となりますが、還付金として口座に振り込んでもらうことも可能です。
厚生年金保険料等から調整(減額)を希望される場合、手続きは不要で後日年金事務所から「厚生年金保険料等の調整に関するお知らせ」が届きますので、調整される月をご確認ください。また、還付金の口座振込をご希望される場合は案内文書の別紙にある回答書を指定期日までに管轄の年金事務所に返送してください。
後日「厚生年金保険料等の還付に関するお知らせ」及び「還付請求書」が送られますので、再度返送すると手続き完了となります。

厚生年金保険料等の返還について、調整(減額)、還付金のどちらの方法を選択しても、会社には会社負担分、本人負担分の合計額が調整(減額)、還付されますので、本人から徴収した厚生年金保険料についてはご連絡をして、本人の口座へ振り込むなど返金する必要があります。また、厚生年金保険料と一緒に子ども・子育て拠出金も調整(減額)、還付されますが、こちらには本人負担分はありませんので、返金の必要はございません。
なお、健康保険料、介護保険料については、同月中に被保険者資格を取得・喪失しても返還は発生しませんのでご注意ください。
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