社会保険適用拡大に伴う適用要件

パート社員の社会保険の適用について質問があります。10月から特定適用事業所に該当することになり、それに伴い健康保険等に該当するパート社員が発生します。雇用保険加入が1つの条件ですが、次の者はどのように判断したら良いでしょうか。

 

1. 契約書上週3日勤務、所定労働時間は6時間
2. 実態は月次80時間以上勤務(直近3ヶ月平均84時間)
3. 1.の条件では雇用保険に加入できないが、本人の希望と当時の社労士の判断で現在雇用保険に加入

 

さらに、今回の改正は10月スタートですが、この場合どのタイミングから適用させるのが良いのでしょうか。

回答

お送り頂きましたケースにおける社会保険の適用の判断は以下のとおりです(以下、4つの項目すべてに当てはまる場合は加入の必要があります)。
① 週所定労働時間が20時間以上30時間未満(※週所定労働時間が40時間の企業の場合)
② 月額賃金が8.8万円以上
③ 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
④ 学生ではない(休学中や夜間学生は除く)

このうち今年の10月から改正が入るのは「③2ヶ月を超える雇用の見込みがある」です。従来までの雇用期間が1年以上見込まれることという条件が上記のように変わりました。

それほか適用条件で留意しておく事項を以下に記載いたします。
① 週所定労働時間が20時間以上30時間未満(※週所定労働時間が40時間の企業の場合)
契約上の所定労働時間であり、臨時に生じた残業時間は含みません。
※契約上20時間に満たない場合でも、実労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上、かつその状態がなお引き続くと見込まれる場合には、3ヶ月目から保険加入対象となります。

② 月額賃金が8.8万円以上
  基本給及び諸手当を指します。ただし、残業代・賞与・臨時的な賃金等は含みません。
 (含まれない例)
 ・1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
 ・時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
 ・最低賃金に算入しないことが定められた賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)

今回の場合、10月から特定適用事業所として適用されるとのことですので実際の労働時間が週20時間以上として雇用契約を締結するのであれば、10月から社会保険適用の対象となります。また、現在の契約(契約書上週3日勤務、所定労働時間は6時間なので週18時間)のまま進めるのであれば、10月から連続する2ヶ月間の実労働時間からみて週20時間以上となった場合で、その状態が続くと見込まれるのであれば実際の労働時間が週20時間以上となった月の3ヶ月目、つまりは12月から社会保険適用の対象となります。もちろん、学生ではないという条件を満たしていることが前提です。
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