休憩時間を社員が自由に伸ばしてもよいか?

社員の勤怠を確認していたところ休憩を2時間取っている社員がいました。直接話を聞いた所「1時間の休憩では足りないので1時間追加で休憩をして、その分1時間長く働いている。8時間働いているので問題はないはずだ。」と言われました。この社員がこのまま休憩を2時間取り続けたとしても、問題になる事はないでしょうか。

回答

その方との労働契約の内容や、御社の就業規則で労働時間についてどのような定めがなされているかによっても回答が変わってきますが労働基準法上、勤務が8時間を超える場合に1時間の休憩時間を与えなければならないと定められている為、1時間以上の休憩時間を取っている事に何らかの問題が発生する事はないと考えられます。また労働契約、就業規則上の取り決めに休憩が1時間と定められている場合、その方は契約(もしくは就業規則)に違反していると考えられます。その場合、御社の懲戒規程に則り処罰をすることも検討に上がります。今回は2時間休憩を取っている、という話ですが「8時間勤務さえしていれば休憩を何時間でも取ってよいのか」と考えて頂ければ問題があるという事が分かって頂けるかと思います。

この社員の方の要望(今回で言うと休憩を2時間取りたい)を会社として認めるのかどうか、という視点で考えますともし定常的に認めるのであれば、それに応じた会社の対応が必要になると考えられます。(契約内容の変更、就業規則の改定など)
突発的に体調が悪い時だけ許可するという事であれば自身の上長の許可を得てからにする、何らかの申請書を提出するようにする、等の一定のルール決め等が有効かと思われます。当然ですが、その場合は休憩を伸ばすという選択肢より早退する、欠勤する等の選択肢の方がご本人の為にも良いかとは思いますが業務都合上どうしても、という時がある場合の為に用意しておいても良いかと思われます。

また何故1時間の休憩では足りないのか、という部分についてもよく話しあわれた方が良いかと思われます。どのような職種、業種かは分かりませんが、1時間の休憩では本当に足りず実はこの社員の方以外にも休憩を多くとりたいと思っている方がいらっしゃるかも知れません。その場合は業務分担の見直しや、人員の確保等も必要になるかと思われます。
またはこの方が他の方に比べて体力的、精神的に健康を損なっている可能性もあります。その場合は産業医の面談等で原因の解明、必要に応じて業務量の減少や休職までも見据えて対応をするのがよいでしょう。
上述の通り、労働基準法上では労働時間に応じた休憩時間を与えれば問題ないとはなっていますが、休憩が1時間では足りないという発言から考えますと、その方の体調や精神面での不調をきたしている可能性までも考慮して対応されるのが良いかと存じます。
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公開日: 勤怠・休憩時間

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