年の途中に就職する子供の税扶養申告について

従業員から、子供の税扶養について相談を受けました。
対象者の子供は
・現在大学4年生で、税金上の扶養に入れている。
・今年の4月に就職予定である。
という状況で、現在は税金上の扶養に入れております。

こういった場合、4月に子供が就職した時点で扶養を外せばよいのでしょうか。
それとも、就職することが分かった時点で扶養から外してしまった方が良いのでしょうか。
対応について教えてください。

回答

ご質問につき、結論から申し上げますとどちらの対応でも誤りではございません。
税扶養に伴う扶養控除申告書の提出にあたっては、

①その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに提出
②当初提出した申告書の記載内容に異動があった場合には、その異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動の内容等を記載した申告書を提出

となっております。
その為、実際に就職した時点で扶養から外しても、就職することが分かった時点で扶養から外しても問題はございません。

ただし、就職した時点で扶養から外す場合、注意して頂きたい点がございます。

所得税は毎月の給与からも徴収されておりますが、本来年収(所得)に対して徴収されるもので、12月の年末調整で1年分の税額を再計算いたします。
そしてその結果を毎月の給与から徴収した税額の合計と比較し、還付もしくは追加徴収にて精算しております。

この時、扶養については月単位で見るのではなく、年末時点での扶養状況が1年分全てに適用されます。

その為、扶養に入れていた期間分について所得税額が増加し、年末調整時の精算で追加徴収になる可能性がございます。
(ご質問の場合ですと、1~3月について税額が増加いたします。)

これはご質問の場合だけではなく、年の途中で扶養人数が減った場合全てに当てはまりますので、そういった場合につきましては、事前に年末調整の際、追加徴収になる可能性があることをご説明されるのがよろしいかと存じます。

なお、ご質問のように、大学4年で翌年4月に就職することが分かっている場合は、最終的に扶養から外れることが予測できるため、令和4年の扶養控除申告書を提出する段階で最初からお子様を扶養から外しておくことをお勧めいたします。

また、就職に伴い扶養を外す場合、社会保険のお手続きと同時に行われる場合があるかと存じますが、社会保険の扶養だけ外し、税扶養のお手続き(扶養控除申告書の提出)を忘れていたため、年末調整時に多額の追加徴収が発生する場合が多々ございます。

同じ「扶養を外す」というお手続きですが、社会保険の扶養と税扶養では別のものであり、提出する書類等も異なります。
両方ともにお手続きを行ったことを確認し、漏れの無いようにご対応下さい。
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公開日: 税務・税法

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