人事評価が機能しない要因

人事評価制度を見直しを現在検討しています。数年ほど前に導入しましたが、今一つ効果がでておらず、面談も形式的で、モチベーションに繋げることもできていません。(一部の部署ではできているとも聞いています)
見直すにあたっても人事評価の失敗要因などありましたら、教えていただき、今後の見直しの参考にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

回答

ご相談ありがとうございます。
文面だけですと運用の状況などや評価者の状況、スキルの程度などの人材の状況がわかりませんが、一般的に人事評価がうまくいかない要因をご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
昨今の人事評価の目的が人材育成にシフトしている点を鑑みますと、要因とならない場合もありますが、いまだにあるのが、評価=金銭的報酬が評価と目的となっている場合、評価時(フィードバック時)には、被評価者の反発や言い訳などにつながりやすく人材育成やパフォーマンスの向上につながらないことがあります。少し考えてみればわかりますように、評価が報酬といった自分の生活等に影響を及ぼすとなれば、自分のパフォーマンスを素直に振り返ることも自分の希望や不安などを話すことも不可能となります。
次にあげられるのは、相対評価(他社との比較による評価)は、協力者(同僚)との競争を促してしまいます。他者との比較の中では、チームワークもコラボレーションも生まれなくなってしまいます。
3点目としては、フィードバックが強みにフォーカスすることなく、ネガティブな要素を指摘する場になっていることです。自分の強みを認められないということは、その人の価値を認めてもらえないこととなり、自分を守ることに注力することに終始していしまいます。当然、ネガティブフィードバックや会話に対してオープンな気持ちで臨むことができなくなりますから、リフレクションを促すことが難しくなります。
4点目としては、評価=報酬という構図では、人々のモチベーションアップや維持にならないということです。モチベーションアップは、内発的動機付けによってこそ、アップ、維持ができることとなりますから、報酬によって一時的なモチベーションアップが見込めても継続的に維持することは難しいことは、多くの実績、研究でも示されているとおりです。いかに内発的動機付けに繋げていくかがポイントとなります。
また、評価に対する面接、対話が決められた時期(半期等)に行われることについても効果といった点から見直す必要があることは近年、1on1などが盛んになって来ているが物語っています。この点については、様々なところで取り上げられていますので、そちらを参照していただければと思いますが、変化の激しい時代においては、状況が刻々と変わり、それに応じて人の心的状況も影響を受けますので、決められた時期に行わなければならないという固定概念は取り除く必要があります。
様々な要因を上げだしたら様々な視点から出てきますが、まずは、これらの点に留意しながら人事評価を見直しをしていただければと思います。
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公開日: 人事制度設計

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