社員が死亡・・・会社が行う手続きは?

私傷病で休職していた30代の社員が亡くなりました。会社が行う手続きと注意点を教えて下さい。
また、この社員がこれまで納めてきた保険料はどうなりますか?
なお、この社員には他社に勤務している20代後半の妻がいますが、お子さんはいません。ご両親は健在と聞いています。

回答

1.主な手続きについては、以下となります。
<健康保険・厚生年金保険>
「被保険者資格喪失届」を管轄の年金事務所(または事務センター。健康保険組合加入の場合は健保分は健保組合。)へ健康保険被保険者証と合わせて提出します。
「喪失年月日」は死亡日の翌日です。
「喪失原因」は「死亡」を選択します。

<雇用保険>
「雇用保険被保険者 資格喪失届」を管轄のハローワークへ提出します。
「4.離職年月日」は死亡日となります。
「5.喪失原因」は1(離職以外の理由)となります。
「6.離職票交付希望」は2(無)となります。

<年末調整、その他>
・死亡日までに支給期の到来していた給与は年末調整の対象となります。年末まで待たず、年調処理を行い、相続人に「給与所得の源泉徴収票」を交付するようにして下さい。
・住民税を特別徴収していた場合は、給与所得者異動届を市区町村に提出します。普通徴収扱いとなり、相続人が残りの住民税を納付することとなります。


2.これまで納付してきた保険料については、残念ながらいずれも返金されませんが、ご遺族が申請を行い、支給される給付はございます。
なお、民法において配偶者は常に相続人となります。ご両親は相続については順番が下となりますので、各種申請は相続人である奥様が行うことになります。
以下は、事業主が行わなければいけないものではありませんが、事業主の証明が必要となるものもありますので、依頼がありましたら対応するようにして下さい。

<健康保険 埋葬料>
被保険者が死亡したときは、埋葬を行った家族に5万円の埋葬料が支給されます。被保険者に生計を維持されていた人であれば、扶養家族になっていなくともよく、生計の一部を維持されていた方も「生計を維持されていた人」となり、埋葬料を受けられます。
生計維持関係の確認のため、住民票を添付します。死亡の事実については事業主の証明で足ります。

私傷病で休職していたとのことですので、既に「傷病手当金」の支給申請を行ってたかもしれません。死亡日までの期間は、要件を満たせば傷病手当金を受けることができます。また「高額療養費」に該当し、払い戻しが受けられる場合も同様です。
続柄の確認のため、戸籍謄本又は戸籍抄本を添付します。

<遺族厚生年金>
支給要件の一つに「被保険者が死亡したとき」とあります。この場合、死亡した方が保険料納付要件を満たしているとき(※1)、死亡した方によって生計を維持されていた妻は遺族厚生年金の対象となります。
しかし、所得要件があり、夫が亡くなったとき、妻の年収が850万円以上(所得655.5万円以上)あり、それが概ね5年続くと認められると、遺族厚生年金は支給されません。
また、支給されても、子のない30歳未満の妻は、5年間の限定支給となります。
18歳未満の子がいる妻は遺族基礎年金も併せて受けられますが、今回の奥様は所得要件を満たしている場合は遺族厚生年金のみとなります。
奥様以外が申請を行う場合は、委任状が必要となります。

※1 死亡日が令和8年3月31日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと

<雇用保険>
失業給付については失業の状態であることが受給の要件であるため、亡くなった方が受けることはできませんし、遺族が受け取ることもできません。
雇用保険の他の給付(教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、育児休業給付など)は、遺族が、亡くなった前日までの給付を受け取ることができます。このとき、死亡の事実を証明する書類、続柄の確認できる書類、生計維持関係の確認できる書類等が必要となります。
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公開日: 社会保険・労働保険手続き

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