給与の翌々月支払いは問題ないか?

現在雇用している派遣社員の給与について、派遣先からの派遣料金の支払いに合わせて、末締め翌月末払いから翌々月末払いに変更したいと思います。
締め日から支払いまでの期間が長くなりますが、法律上問題はないでしょうか?

回答

労働基準法では、労働者に確実に賃金が支払われるように、賃金の支払いについて次の5つの原則を定めています(第24条)。
①通貨払いの原則
②直接払いの原則
③全額払いの原則
④毎月1回以上払いの原則
⑤一定期日払いの原則

この条文においては、賃金の締切期間及び支払期限については規制されていませんので、毎月1回以上払い、一定期日払いが保証されていれば、締切期間や支払期限は就業規則等を含む労働契約により自由に決定できます。
支払期限については、必ずしもある月の労働に対する賃金をその月中に支払う必要はなく、不当に長い期間でない限り、締切後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも差し支えありません(厚生労働省労働基準局編 労働基準法コンメンタール)。
この「不当に長い期間」が具体的にどれくらいなのかは明記されていませんので、ご質問のケースは違法とまではいえず、許容範囲であるかと思います。

また、賃金支払日の変更においても毎月払いの原則を遵守しなければなりません。
ご質問のケースでは、丸々1ヶ月給与支給なしの月が生じてしまいますので、一部でも前払いで支給し、変更月に1回も給与が支払われないということがないようにする必要があります。

今回の場合、支払日がかなり後ろの期日に繰り下げられ、社員の生活に大きな影響を与えることになります。法定の手続きにより就業規則を変更するだけでなく、前もって十分に変更内容を説明する、賞与支払月に変更を行う、無利子で貸付を行うといった社員への配慮が必要でしょう。
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公開日: 賃金

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