無期転換の起算日の考え方について

無期契約社員(※)の退職金制度導入にあたり、退職金を無期転換してからの勤続年数に応じて支給することを検討しています。
無期転換の起算日の考え方について、以下の例に基づき教えていただけますでしょうか。

※有期契約社員が無期転換した後の雇用形態。「無期契約社員」はあくまで質問者の所属組織上の呼称。

 

<例> 弊社では契約更新を毎年1/1とし、初回の更新以降は1年ごとに更新しています

2019/9/20  入社

2020/1/1   初回更新

2021/1/1   2回目

2022/1/1   3回目

2023/1/1   4回目

2024/1/1~2024/12末  5回目 この期間に通算契約期間が5年を超えるため、2024/1/1より無期転換申込権が発生

2024/1/1  無期転換申込

 

<質問>
① そもそも実際の通算契約期間が5年を超えていなくても、5年を超える契約更新をした時点(2024/1/1時点)で無期雇用契約の申込みをする権利が発生する認識でよいでしょうか?

② 2024/1/1付で無期転換への申込みをした場合、無期転換の起算日は2024/1/1からとなりますでしょうか。
例えば、5回目の更新手続きを2023年12月に締結した際に無期転換申込をして、2024/1/1から無期転換適用とすることは可能でしょうか。

③ ご本人が無期転換への申込みを2025/1/10に申請した場合は、起算日は2026/1/1になりますでしょうか。

 

 

回答

ご質問①~③につき、以下回答いたします。

① そもそも通算契約期間が5年を超えていなくても、5年を超える契約更新をした時点(2024/1/1時点)で、無期雇用契約の申込みをする権利が発生するという理解でよろしいでしょうか。

⇒ ご認識のとおり、2024/1/1時点で無期転換の申込権が発生します。2024/1/1~2024/12/31の間にこの権利を行使することで、2025/1/1より無期労働契約が締結されます。無期転換申込権の発生要件の一つ「通算契約期間が5年を超えたこと」は、現に5年を超えたかは問題とされず、契約更新した時点で通算契約期間が5年を超える場合に、契約更新時点から無期転換申込権を取得します。2024/1/1時点で締結する一年契約の期間の途中で5年を超えますので、2024/1/1より無期転換申込権が発生することになります。

② 2024/1/1付で無期転換への申込みをした場合、無期転換の起算日は2024/1/1からとなりますでしょうか。
 例えば、5回目の更新手続きを2023年12月に締結した際に無期転換申込をして、2024/1/1から無期転換適用とすることは可能でしょうか。

 ⇒ ご質問の趣旨が捉えられていかもしれませんが、2024年1/1付で無期転換申込をした場合に、いつの時点から無期契約となるか、という意味でしたら 2025/1/1からの契約更新の時点で無期契約となります。通算契約期間が5年を超えて、さらに契約を更新して6年目に至る有期契約を結んだ場合に、その有期契約が満了する日の翌日が無期契約の開始となります。ですので無期転換の適用日(起算日)は2025/1/1となります。2023年12月時点で2024/1/1から一年の契約の更新手続きはできても、この時点でまだ無期転換申込権は発生していません。あくまで2024/1/1から権利を行使でき、無期契約の開始は2025/1/1からとなります。

③ ご本人が無期転換への申込みを2025/1/10に申請した場合は、起算日は2026/1/1になりますでしょうか。

 ⇒ 無期転換申込権が発生する2024/1/1より2024/12/31までの間に権利行使しない場合、権利は消滅します。
  この場合、2025/1/1~2025/12/31の契約更新をすることで新たな無期転換申込権が発生し、2025/1/1~2025/12/31の間に権利を行使することで2026/1/1から無期契約締結となります。


以上、よろしくお願いします。
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公開日: 異動・出向・転籍

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