オフィスカジュアルで推奨される服装とは?

オフィスカジュアルを推奨している会社が増えています。
しかしながら、カジュアルとはいえ、どこまで自由な服装が認められるのでしょうか。

ある会社から社員の服装に関して相談がありました。社員Aさんがたびたび奇抜な服装で出勤してくるため、上司のBさんは社会人としてふさわしい服装にするように指摘しました。会社の規定にはオフィスカジュアルとだけ書かれ、判断は社員任せになっていました。上司のBさんは社内規定を見直し、服装に関する基準を明確にしたいと考えています。

Aさんの服装がどのように不適切であり、社会人としてふさわしくないものだったのか、相談内容から詳細はわかりません。Aさんは社内の暗黙のルールに反していたようです。Aさんはこの場合上司のBさんの指示に従う必要があるのでしょうか?

回答

どのような服装が望ましく、他の社員に不快感を与えないのでしょうか。オフィスカジュアルといえども、仕事をするために着用する服装であることを忘れてはなりません。

厚生労働省の就業規則モデル例では、服務規律違反として懲戒事由に、「素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき」が挙げられています。
社内の服装とはいえ、会社の社会的地位、名誉、信用等を傷つけ、会社に損害を与えた場合は、服務規律違反として懲戒事由に該当し、情状はあるものの、けん責、減給又は出勤停止となることもあります。

服務規律は企業秩序の維持という概念から、企業の存立と事業の円滑な運営の維持のために必要不可欠のものとされています。

使用者は規則や指示・命令に違反する労働者に対しては、「規則の定めるところ」により懲戒処分をなし得ると最高裁も述べています。したがって、就業規則に定めのない事由による懲戒処分はできません。

また、労働契約法第15条において「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定められており、懲戒事由に合理性がない場合、当該事由に基づいた懲戒処分は懲戒権の濫用と判断される場合があります。

服装は会社の業種、事業内容にもよりますが、比較的自由度の高い会社もあれば、スーツやダークカラー主体の会社もあります。
以下の服装はできるだけ控えてほしいと判断されるようです。

・肌の露出度の高いもの、ノースリーブやひざ丈の短い短パンやスカート
・派手なメイクやカラーコンタクト、ネクタイ、シャツ、アクセサリー、サングラス
・奇抜なヘアスタイルやカラー
・清潔感に欠けるもの、ひげや襟・袖の汚れ、服のしわ

また、服装以外にも香水、整髪料、柔軟剤などの強い香りも他人に不快感を与えるものとして、長時間同じ空間にいるオフィスでは好まれません。今や強い香りはハラスメントの一種として問題視されています。

*スメルハラスメント(和製英語: smell harassment)は、ハラスメントの一種でにおいにより周囲を不快にさせる嫌がらせのことである。スメハラと略される。出典: フリー百科事典『ウィキペディ(Wikipedia)』

以上、職場の同僚に不快感を与えないように、シンプルで清潔感のある服装を心掛け、派手だと認識する場合はダークカラーを加える、ノースリーブの場合は上着を羽織るなど工夫するのはいかがでしょうか。

服装などの外見にかかわることは、本来は自由

少し前までは、男性はスーツ、ネクタイ、女性は華美ではない服装、などと規定されていたことが多くありました。


性別を理由にしたものや根拠が希薄なものは廃止される傾向にあります。反対に「他人に不快感を与えないこと」など、個人の判断に委ねられる内容のものが増えてきました。本心では決められた服装があったほうがいいという人も多いのでは?


服装など個人の外見に関わる事については、本来は自分自身で自由に選ぶことができます。憲法の保障範囲と考えられており、原則として他人がこれを侵害する事はできません。


いくら会社に指揮命令権があるといっても、服装までいちいち指示されていたのでは人権すら認められていないことになってしまいます。基本的には自分自身で自由に決められるものなのです。


リモートワークの普及でどう変わる?

新型コロナの影響が出る前は、通勤してオフィスで仕事をするのが当たり前で、職場の秩序を乱さないためにも常識的な服装が必要でしたが、人と会わない働き方になり、「他者に不快感を与えない」ことを気にする必要がなくなりました。


外見に気を配る必要がないことから、相当ラフな服装で仕事をしていても、仕事そのものに影響が出ないのであればいいわけです。


とはいえ、テレビ会議等でコミュニケーションする場面では、カジュアル過ぎる服装は心象が悪くなる場合もあるでしょう。久しぶりの出社に服装で迷う従業員も出てくるでしょう。今後はシーン別の服装規定があってもいいのではないでしょうか。

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