年俸契約期間の途中で昇給させる場合の残業手当の計算

弊社の社員は1月1日から12月31年俸制となっております。年俸額を12等分した金額を毎月給与支給しています。年俸制の場合、年俸契約期間は原則給与額は変わらないと思いますが、この度例外的に年俸契約期間の途中である4月に昇給させることを検討しております。できれば上記の契約期間は変えずに金額のみを変えたいと考えておりますが、何か気をつけるべき点等ありますでしょうか。

回答

労働基準法第24条では、「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定められているため、年俸制の場合でも年に1度の支払うのではなく、毎月分割して給与を支払う必要がありますが、その他特段年俸制についての定めはないため、年俸制の場合でも月給の場合と同様に残業手当の支給は必要となります。
そしてその計算のもととなる時間単価は下記の通り計算することとなっています。

時間単価=年俸額(1/1~12/31)÷12か月÷月平均所定労働時間

年俸額が変わると、年俸契約期間中の時間単価も変わることとなるため、同契約期間内である昇給前の1/1~3/31分についても残業手当を昇給後の時間単価で再度計算し、差額を遡及支給する必要があり、年俸期間の途中での昇給はあまりお勧めできません。
次回の年俸契約更新の際に昇給を行うか、昇給させるタイミングで新たに年俸契約を締結しなおすことをお勧め致します。
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公開日: 時間外手当

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