結婚祝金の遡及申請は認めなくてはいけないのか?

1年前に結婚した従業員より結婚お祝い金について申請がありました。

当社の慶弔見舞金規程には申請の期限は明記していないのですが、慶弔見舞金の申請書には、「結婚した日から半年以内に事由を証明するものを添付の上申請すること」と記載し、社内周知しています。

そのため、この半年という申請期限を過ぎており、結婚お祝い金については支給できないと伝えたところ、「規程には申請期限の記載がないので知らなかった。また、結婚お祝い金は賃金に該当するので請求権は2年あるのではないか?」と問い合わせがありました。

このような場合、結婚お祝い金は当該従業員に支払わなければいけないのでしょうか?

回答

通達:労働基準法の施行に関する件(昭和二二年九月一三日発基第一七号)にて以下の通り賃金の定義があります。

◆法第一一条関係
(一) 労働者に支給される物又は利益にして、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなすこと。
(1) 所定貨幣賃金の代りに支給するもの、即ちその支給により貨幣賃金の減額を伴ふもの。
(2) 労働契約において、予め貨幣賃金の外にその支給が約束されてゐるもの。
(二) 右に掲げるものであつても、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなさないこと。
(1) 代金を徴収するもの、但しその代金が甚だしく低額なものはこの限りでない。
(2) 労働者の厚生福利施設とみなされるもの。
(三) 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であつて労働協約、就業規則、労働契約等によつて予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。

上記(三)の通り、慶弔見舞金規程等で支給条件の明確なものは「賃金」とみなされます。賃金債権の時効は現在2年間となりますので、この時効が成立するまでは会社に支払いの義務は生じることになります。
もちろん会社の手続き上のルールとしては申請期限を設けて早期提出を促すことは考えられますが、その期限をもって支払わない、とはできず当該従業員への支払いは必要です。

社内への申請期限の周知はされているということですが、今回のように「規程に記載がないので知らなかった」と言われることのないように、慶弔見舞金規程にも申請期限を明記し、その上で申請が遅れた従業員に対しては「支給はするが社内ルールは守っていない」という点は注意をし、その他の社内ルールも含め適宜順守については促していくことも必要かと思います。

せっかく会社としての福利厚生で慶弔見舞金制度があるにも関わらず、上記のようなやり取りでお互いの心証を悪くしないように、しっかりとした規程の整備と周知を行いましょう。
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公開日: 福利厚生 賃金

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