産業医・衛生管理者を外部委託し兼任してもらうことはできるか

当社では将来、100名程の事務作業の請負事業を運営することとなり、準備を進めております。

この人数ですと労働安全衛生法上、産業医・衛生管理者を選任する必要があるかと思いますが、産業医はともかく、衛生管理者の資格を持っている人がなかなか見つけられずにおります。

それぞれについて、常勤でない社員や外部の方でも選任することはできるのでしょうか。

また、産業医の資格を持っている方は衛生管理者になることができるかと思いますが、兼任してもらうことはできるのでしょうか。

回答

外部委託の可否についてですが、産業医につきましては下記2点いずれかに該当する場合に、専属の方を選任する必要がございます。(労働安全衛生規則第13条)
「常時1,000人以上の労働者を使用する事業場であること」
「一定の有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場であること」
よって、御社の労働者数・業種を踏まえますと専属の方を選任する必要はございませんので、外部の産業医に委託することができるかと存じます。

一方、衛生管理者につきましては少なくとも一人は原則専属の方を選任する必要があり、基本的には従業員から選出していただくこととなります。(労働安全衛生規則第7条)
ただし、下記3点を満たす場合には、例外的に自社の労働者以外の方を衛生管理者に選任することが認められています(平成18年3月31日基発第0331004号)
「農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業以外の事業場であること」
「第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許若しくは衛生工学管理者免許を有する者であり、職務を遂行する事業場に専ら常駐していること」
「その者が一定期間継続して職務に当たることが明らかにされていること」
条件を満たしていれば、自社の労働者でなくとも外部の方に委託することができるかと存じます。

兼任の可否についてですが、どちらも安全衛生法には「専任」とはされていないため、産業医が衛生管理者を兼任することは可能です。
しかし、その場合は上記の要件を踏まえ、産業医が常勤かつ専属であることが必要となります。
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