人事部の人手不足を解消し採用ミスマッチを減らす施策

当社は専門的知識が必要かつ複雑性の高い仕事内容のため、人材を採用してもスキル不足や部署の雰囲気にあわず退職される方が多いです。
それに加えて部署のスキル要求もだんだん上がってきており、ますます採用が難しくなっています。
人事部としてもきちんと対応して部署の希望を叶えていきたいのですが、人手不足により手が回らない状況です。
なにか良い方法はないでしょうか?

回答

採用活動には会社・部署の環境や状況によりそれぞれ有効な採用施策があり
また、その施策によって人事担当者に求められる能力も変わってきます。

今回は貴社の課題を【部署の高いスキル要求】【採用後のミスマッチ】【人事部の人手不足】の3点に絞り込み
課題解決に向けた採用施策の1つとして「ハイアリングマネージャー制度」を提案させて頂きます。


《ハイアリングマネージャーについて》

基本的に採用活動では求人の種類を問わず人事部が全責任を負いますが、ハイアリングマネージャーを導入する採用活動では
求人ごとに最適な人材が採用決裁権を持つ責任者となり、それぞれ主体的に動くことになります。
一般的に採用部署のトップや募集ポジションの上司にあたる人(業務に適した人材を最も詳細かつ具体的にイメージできる立場)
がハイアリングマネージャーとなります。

《採用活動がどのように変わるか?》

人事主導による採用活動ですと部署は【選考過程】に部分的(面接など)に参加するのみでしたが、
【選考過程】から【入社】までの業務の主体者になることにより、採用における責任と権限を一致させることができます。
人事部は事務局と採用アドバイザーのような役回りになる、といったところです。


《導入メリット》

・現場社員との接点が増え人事部門の現場理解が深まることで戦略的採用活動ができる

・部署が採用の難しさを理解してくれる

・職場の雰囲気、業務内容をよく理解している人間が関わることで質の高いストーリー採用が可能になる

・人事の人手不足による作業遅れを解消しスピーディーな採用ができる


《注意点と解決策》

・面接対応に“ムラ”が出る
→これは会社として1番注意しておかなくてはならない点です。
 ハイアリングマネージャーはスキルやカルチャーフィットのスクリーニングはできても人事が本職ではありませんので
 応募者に誤った対応をしてしまう可能性があります。応募者は不採用にした瞬間からお客様になるという意識を徹底し、
 求人オープン当初は人事が面接に同席したり事前に面接官トレーニングをしましょう。

・負担増による現場の不満
→ハイアリングマネージャー制度を導入する際によく誤解をされるのが人事の職務放棄です。
 導入メリットをきちんと伝え理解してもらうことが望まれます。

・他部署で採用の可能性がある人材を不採用にしてしまう可能性
→各部署が独立して動くので情報の共有がうまくできないことが想定されます
 定例ミーティングなどを設けて応募者情報の共有が必要になります。

以上がハイアリングマネージャーの簡単な説明になります。
課題を解決できる可能性があるので導入を検討をしてみては如何でしょうか?

お気づきかもしれませんが運用にあたり、人事担当者には一定のコンサルティング力、つまり〈提案力〉〈調整力〉そして〈やりきる力〉が求められます。
冒頭にも書いたように採用施策によって人事に求められるスキルは変わってくるということです。
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