有給休暇の買取の可否について

質問

社員(時間給勤務)の希望で、「法定外休日に有給休暇を使用したい(有給休暇を取得する替わりに相当時間分の賃金を支給してほしい)」旨、申出があります。
(有給休暇は所定労働日を対象にするのが原則と認識はしていますが、)会社側も労働力を確保したい状況であり、また社員本人に利する申出であるため、問題が無いようであれば受け入れたいと考えています。もし抵触する法律等があれば教えてください。

回答

・労働義務の消滅という休暇の性質から、「休日に対し(有給)休暇を取得する」状況は成立不可となります。そのため社員の申出の「有給休暇を取得させない場合に金銭を支給する」対応は、有給休暇の買上げに相当するものと見受けます。以降、有給休暇の買上げが、今回の場合に問題となるか否かを述べたいと思います。

・労働基準法39条(年次有給休暇)の法定日数を超えて付与されている部分の有給休暇については、買上げをしても39条の違反となりません。(基発第513号、基発第3650号)
一方、今回の社員申出にて消滅する有給休暇が、法定で付与されている日数にかかる部分であれば、39条の違反となります。(基収4718号)

・なお、労働者が有給休暇を取得せず、時効や退職等の理由で消滅するような場合に、残日数に応じた金銭を給付することは、違反ではないとされます。
今回の申出にて消滅する有給休暇が、時効によって権利が消滅してしまった部分の補填であれば、必ずしも違反とはなりません。

・しかし、このような取り扱いを進めることで、有給休暇の取得を抑制する効果を持つことは、39条の位置付けからも、好ましいことではありません。
年次有給休暇は、所定労働日の労働義務の消滅であり、金銭によって補われる性質のものではありません。消滅した有給の買上げは義務ではなく会社の任意であり、場合によって社員に利する状況も考えられますが、有給休暇を取得しやすい環境を整備することが、より望ましい対応と考えます。
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SR人事メディア編集部
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