内定承諾書は採用取り消しの効力となるか

弊社の新卒採用では、最終面接後に、内々定通知書・労働条件を記載した書類・内定承諾書の3点を学生に手渡し、内定を承諾する際には、承諾書に署名の上、返送をもらう、というフローで運用しております。

内定後、企業側からの申し出により、内定の取り消しを行うことは不可能だと思いますが、

身体的な理由等、万が一取り消しが必要なケースを想定し、

内定式以前に、内々定通知・内々定承諾書のみ取り交わしを行った場合、

こちらは、万が一の採用取り消し効力となり得るのでしょうか。

回答

ご認識の通り、企業側からの申し出により、内定の取り消しを行うことは非常に困難です。

内定承諾書に法的な拘束力はなく、学生側は、内定承諾書にサインをしていても辞退することが可能であり、企業側は内定承諾書の内容を根拠に内定を取り消すことはできません。
一般的に、内定承諾書の位置づけとしては、応募者の入社意思を書面に残し入社を促すための心理的アプローチといった面があり、労働契約の締結を補足する程度のものとなります。

内定取り消しの際に検討する要素として、「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待することができないような事実で、これを理由として採用内定を取り消すことが社会通念上相当として是認できる」ことが、最高裁判例で挙げられています(大日本印刷事件)。

具体的には、以下のような理由(事由)がある場合に内定取消しが適切と判断される可能性が高いと考えられています。

【1】内定者が、内定後に病気や怪我をしたことによって正常な勤務ができなくなった場合
【2】内定後の調査により、内定者が申告していた経歴や学歴の重要部分に虚偽があったことが判明した場合
【3】内定者が、大学を卒業できなかった場合
【4】内定後の事情から、内定者を雇い入れると人件費が経営を圧迫して行き詰まることが明らかであり、既存の社員の解雇を回避するためには、内定取消がやむを得ない場合


内定承諾書そのものが内定取り消しの根拠となることはございませんが、予め内定取り消しとなるような事由を明記しておき書面を取り交わすことによって、後々のトラブルを防ぐことができます。
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SR人事メディア編集部
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