海外で行う据付工事・建設工事(海外派遣)に関する労災保険の特別加入について

弊社では海外の工場へ機械装置を納品しており、納品の際に現地で1~2週間程工事を実施しております。

海外で行う据付工事・建設工事(有期事業)に従事するために海外へ行く場合は海外派遣であると聞いたのですが、その際労災保険の特別加入手続きをする必要はありますでしょうか?

回答

ご質問の件ですが、前提として海外での業務が「海外出張」として取り扱われる場合には国内での災害と同様に労災保険給付を受けることができますが、「海外派遣」とみなされる場合には、海外派遣者として特別加入をしていなければ労災保険給付を受けることができません。

労災保険法の適用については、法律の一般原則として属地主義がとられているため、国内の事業からの「出張」の場合には労災保険の対象となりますが、海外の事業に「派遣」され、その事業に使用される場合には労災保険の対象となりません。

また、海外「出張」に当たるか海外「派遣」に当たるのかは、海外における勤務期間の長短によって判断されるのではなく、その労働者の海外における労働関係によって判断されます。したがって、例え海外での勤務が長期にわたる場合でも、国内の事業場の指揮命令に従って業務に従事している場合には海外出張となりますし、海外の事業場に所属して、その事業場の指揮命令に従って業務を行う場合などは、海外派遣とみなされることになります。

今回の御社のようなケースは国内の事業場の指揮命令によって据付工事を行うにすぎないので、海外派遣ではなく、海外出張の扱いとなると思われますので、特別加入手続きをする必要はございません。
なお、派遣の仕方が出張として扱われるかどうかについて判然としない場合があれば、あらかじめ労働基準監督署にご確認されることをお勧めいたします。
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