社員の給与振り込先の銀行を会社側が指定する件について

日本の人事部回答用

大変基本的な点ですが給与支払方法についてご質問したく存じます。

賃金支払いの5原則のうち、通貨払いの原則の例外として、
①労働者の同意を得て、②その労働者が指定する金融機関の当該労働者口座への振込の場合であれば適法とされていると思います。

当社では「当社が指定した金融機関のうち、社員の希望する金融機関の本人口座へ振り込みする」のが実態となっております。
各人が個々に給与振込金融機関を指定された場合、実務上収拾がつきかねるのがその理由です。
一方、会社側として、①指定している金融機関は20ある、②勤務する地域により使い勝手が悪くならないよう全国展開している金融機関も含めている(都市銀行全て、郵便局)といった配慮はしております。

ただ、労基法の解説を見る限り、法的なスタンスは会社側から社員へはお願いをするように読み取れます。

この現況を総合的に判断して
【質問1】当社の実態は法的に許容される範囲とみてよいのか
【質問2】質問1が許容される範囲とみれるのであれば就業規則や雇用契約書上に「当社が指定した金融機関のうち、
社員の希望する金融機関の本人口座へ振り込みする」まで明記することまでも許容されるとみてよいのか。

よろしくご教示のほどお願い申し上げます。

回答

ご質問にお答えいたします。

給与の支払いを口座振り込みにする件につきまして、厚労省より通達が出ております。
厚労省通達・平成10年9月10日基発530号、平成13年2月2日基発54号

1.口座振込み等は、書面による個々の労働者の申し出又は同意により開始し、その書面には以下の事項を記載すること。
①口座振込み等を希望する賃金の範囲及びその金額
②労働者の指定する金融機関等の店舗名ならびに預貯金等の種類及び口座番号
③口座振込み等の開始希望時期
2.口座振込み等を行う事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合は労働者の過半数の代表者)と、
以下の事項を記載した書面による協定を締結すること。
①口座振込み等の対象となる労働者の範囲
②口座振込等の対象となる賃金の範囲及びその金額
③取り扱い金融機関及び取扱い証券会社の範囲
④口座振込等の実施開始時期
3.使用者は、口座振込み等の対象となっている個々の労働者に対し、所定の賃金支払日に、次に掲げる金額等を記載した
賃金の支払いに関する計算書(明細書等)を交付すること。
①基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
②源泉徴収税、労働者が負担すべき社会保険料額等賃金から控除した金額がある場合には、その事項ごとにその金額
③口座振込み等を行った金額
4.口座振込み等がなされた賃金は、所定の賃金支払日の午前10時ごろまでに払い出し又は払い戻しが可能となっていること。
5.取扱い金融機関及び取扱い証券会社は、金融機関又は証券会社の所在状況等からして1行・1社に限定せず複数とする等
労働者の便宜に十分配慮して定めること。
6.使用者は、証券総合口座への賃金払込みを行おうとする場合には、当該証券総合口座への賃金払込みを求める労働者又は
証券総合口座を取扱う証券会社から
投資信託約款及び投資約款の写しを得て、当該証券会社の口座が「MRF」(マネー・リザーブ・ファンド)により運用される
証券総合口座であることを確認のうえ払込み等を行うものであること。
また、使用者が労働者等から得た当該投資信託約款及び投資約款の写しについては、当該払込みを継続する期間中保管すること。 

上記の通達をふまえて回答致します。

【質問1】本人の同意を得ていれば法的に問題ありません。
 上記通達1の本人の同意が大原則で、御社では上記通達5に出ている、取扱金融機関を複数とし従業員への配慮をするということも行っており、特に問題ないと思われます。

【質問2】就業規則や雇用契約書に明記したたとしても、本人の同意がなければ現金で支払わなければならないため、明記はせず、労使協定を締結するだけにしておくほうが良いのではないでしょうか。

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SR人事メディア編集部
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