再出向の適否について

以下について御教示願います。

出向元より受け入れている出向社員を他社へ再出向させることはできますか?

現在弊社では、出向元から受け入れている出向社員を業務の都合上出張により顧客先で
勤務させています。

この度、この顧客より当該社員を出向社員として受け入れたい旨の依頼がありました。

出向先である弊社が、当該社員を更に他社へ出向させることは可能なのでしょうか?

 

回答

出向中の社員を更に他社へ出向させることを、一般に「再出向」といいます。
この再出向については、直接的に再出向を規制する※法律の定めはありませんが、以下の事由により
社会通念上、認められないものと考えられております。

●労働契約上の問題
 出向における労働契約は、出向者と出向元・出向先との間で成立することになりますが、契約上の
権利義務が重複しているわけではございません。
例えば、労働時間・休憩・休日など就労に関することは出向先との間に、それ以外の権利義務は
出向元との間に契約上の権利義務が分かれて存在していると解されています。
出向命令のように社員の地位変更を命ずる権利義務は、出向元との間のみに存在致します。
従ってそもそも出向先は再出向を命じることはできません。

●出向目的の妥当性
 出向命令は、たとえ就業規則などにその契約上の根拠規定があったとしても、事業主が自由に
その権利を行使できるものではありません。
出向は、以下の目的により行われるべきもので、それ以外の目的にもとづく出向は、実質的に職業
安定法第44条で禁止される「労働者供給事業」と判断される可能性が高くなります。
1.離職させずに関係会社において雇用機会を確保するため
2.経営指導、技術指導を実施するため
3.職業能力開発の一環として行うため
4.企業グループ内の人事交流の一環として行うため

以上より、実際の対応としては再出向を命じるのではなく、一度社員を出向元に復帰させ、改めて出向先に出向させるという通常の出向手続きによった方が望ましいと言えます。

※補足
再出向については、二重派遣と類似する点がある為、二重派遣を禁止する職業安定法第44条との関係で問題となることがあります。
出向は、出向元と労働者、出向先と労働者それぞれの間で労働契約関係が存在し、派遣先と派遣労働者との間で労働契約関係が存在しない派遣とは決定的に異なることから、再出向は職業安定法で禁止されている労働者供給事業にはあたらない為、再出向は職業安定法44条に反するものではないといえます。

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SR人事メディア編集部
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