傷病手当金受給中の社会保険料は、どう徴収する?
病気休職中で、傷病手当金申請予定の社員がおります。給与が不支給となるため、社会保険料と住民税を控除できません。毎月本人に請求書を発送し、会社の口座に振り込んでもらうようにしたいと考えていますが、それ以外に方法はありますか。
回答
休職中の社会保険料の徴収について、以下の方法が考えられます。
1)会社が一旦立て替え払いし、社員が会社の口座に振り込むこと。
2)復職後給料から控除すること。
3)傷病手当金の受け取りに会社口座を指定し、社会保険料等を控除した後に社員の口座に振り込むこと。(健康保険組合の場合)
2)について
給与から控除できる保険料は前月分に限られます。(昭和2年2月5日 保発112号)
会社が立て替えた過去の保険料を控除することは、労働基準法第24条で定められている、法令に基づいて控除するものに当たらないため、「賃金控除に関する労使協定」を締結する必要があります。(賃金の全額払いの原則)
3)について
健康保険組合では一般的な方法です。
「傷病手当金支給申請書」の振込先に会社の口座を指定し、受取代理人の欄に社員から会社が委任されている旨を記載します。社員へは、傷病手当金の支給決定額と、控除した保険料額を記載した明細を作成し、お渡しいただくのが良いでしょう。
尚、以前は協会けんぽでも同じ対応が可能でしたが、傷病手当金申請書がR5年4月より新様式となり、振込先口座が本人のみしか記入できなくなりました。
当分の間は、協会けんぽでは、旧書式でも対応する様ですが、いずれ新様式のみの対応となる事を踏まえて、会社口座を指定している場合は、社会保険料の徴収方法の変更が必要になります。
いずれの方法も会社が勝手に行って良いものではなく、社員との合意が必要になりますので、注意が必要です。
次に、住民税の徴収に関しては以下があります。
①特別徴収を継続し、上記の社会保険料と一緒に会社に支払うこと。
②普通徴収に切り替えて本人が支払うこと。
社会保険料は、休職により給与支払いがなくとも被保険者として在籍している限り、会社が保険料を徴収し納付しなければいけませんが、住民税は普通徴収に切り替え、個人で納付することが可能となります。
貴社就業規則に休職時の保険料の取り扱いにかかる定めがないようでしたら、規定されることをお勧め致します。また、休業・休職願の条文に規定しておくこともご検討下さい。トラブルを防ぐために休職前に本人との話し合いの上、進めるようお願い致します。
1)会社が一旦立て替え払いし、社員が会社の口座に振り込むこと。
2)復職後給料から控除すること。
3)傷病手当金の受け取りに会社口座を指定し、社会保険料等を控除した後に社員の口座に振り込むこと。(健康保険組合の場合)
2)について
給与から控除できる保険料は前月分に限られます。(昭和2年2月5日 保発112号)
会社が立て替えた過去の保険料を控除することは、労働基準法第24条で定められている、法令に基づいて控除するものに当たらないため、「賃金控除に関する労使協定」を締結する必要があります。(賃金の全額払いの原則)
3)について
健康保険組合では一般的な方法です。
「傷病手当金支給申請書」の振込先に会社の口座を指定し、受取代理人の欄に社員から会社が委任されている旨を記載します。社員へは、傷病手当金の支給決定額と、控除した保険料額を記載した明細を作成し、お渡しいただくのが良いでしょう。
尚、以前は協会けんぽでも同じ対応が可能でしたが、傷病手当金申請書がR5年4月より新様式となり、振込先口座が本人のみしか記入できなくなりました。
当分の間は、協会けんぽでは、旧書式でも対応する様ですが、いずれ新様式のみの対応となる事を踏まえて、会社口座を指定している場合は、社会保険料の徴収方法の変更が必要になります。
いずれの方法も会社が勝手に行って良いものではなく、社員との合意が必要になりますので、注意が必要です。
次に、住民税の徴収に関しては以下があります。
①特別徴収を継続し、上記の社会保険料と一緒に会社に支払うこと。
②普通徴収に切り替えて本人が支払うこと。
社会保険料は、休職により給与支払いがなくとも被保険者として在籍している限り、会社が保険料を徴収し納付しなければいけませんが、住民税は普通徴収に切り替え、個人で納付することが可能となります。
貴社就業規則に休職時の保険料の取り扱いにかかる定めがないようでしたら、規定されることをお勧め致します。また、休業・休職願の条文に規定しておくこともご検討下さい。トラブルを防ぐために休職前に本人との話し合いの上、進めるようお願い致します。
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