源泉徴収票が発行できない!そんなときはどうすればよいか?

質問
過去分の源泉徴収票の発行を依頼されたのですが、弊社では給与システムの入れ替えが過去にあり、5年以上前の源泉徴収票となると、発行するのには大変な作業となります。
過去分の源泉徴収票を依頼された場合、何年まで遡って対応する必要があるのでしょうか。会社は税務関係の書類について保管義務があるかと思いますが、それは7年間と認識しています。7年前まで遡って対応する必要があるのでしょうか。

 

また、入社する社員に前職の源泉徴収票を提出するよう伝えたところ、前職の会社が倒産しており源泉徴収票を発行することができないと相談を受けております。
前職源泉徴収票発行が出来ない場合は、年末調整の計算に前職の収入をどのように入れて行えばよいのでしょうか。社員が対応する必要がある事項があればそちらも伺いたいです。

回答

源泉徴収票の発行については、所得税法226条第1項に明記されております。
在籍中の社員に関しては、翌年1月31日までに源泉徴収票を発行すること、年の途中で退職する方に関しては、退職日以後1ヶ月以内に源泉徴収票を発行することが義務となっております。
その後の再発行については所得税法上の記載はございません。
したがって、1度源泉徴収票を発行することで会社は源泉徴収票発行義務は果たしていることとなります。
会社は法定書類を7年間の保存義務はございますので源泉徴収票を発行することは可能ではありますが義務はありません。
しかしながら、社員や退職者で源泉徴収票の原本が必要な場面は、例えば、住宅の購入時や住宅ローン減税を受ける時、確定申告で医療費控除等を受ける時など、多々ございます。
会社が発行しないとなると社員が確定申告ができませんので、源泉徴収票の使用目的をご確認いただいた上で、依頼者とご相談いただくことがよろしいかと思います。

前職の会社が倒産で源泉徴収票が発行できないといった場合は、前職分は年末調整できないので御社分のみで年末調整をすることとなります。
社員は前職分の年末調整が出来ないので確定申告を行うこととなりますが、確定申告でも源泉徴収票は必要となります。
このような場合には、税務署に個別にご相談いただくこととなります。
相談に行く際には「源泉徴収票不交付の届出」とともに各月の給与明細など何かしらの収入証明になる書類があれば一緒に持参しご相談されることをお勧めいたします。
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公開日: 税務・税法 賃金

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