夏季休業期間中の派遣社員の賃金補償について

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弊社では8月のお盆休みとして、8/8・9・10及び12を一斉休日(事業場への入場は原則禁止)としました(8/11は祝日であり弊社の休日となります)。

 

そこで、同じ事業場に勤務している派遣社員の方にもお伝えしたところ、「休業補償事由に該当する可能性があるため、派遣元会社の担当者に確認してもらいたい」と、返答を頂きました。

早速、派遣元会社の弊社担当者に確認したところ、「会社間(派遣先と派遣元関)の契約において、土日と祝日に関しては休日の定めをしているが、お盆休みについては特段定めをしていないため、派遣社員の方に休業補償を行う必要がある」と、返答を頂きました。

 

このケースの場合、休業補償は必要となりますでしょうか。

また補修を行う場合は、その補償額の算定方法をご教示ください。

回答

貴社と派遣会社間の契約において、通常の休日と異なる長期休日期間について、休日となる旨の記載が無い場合、その期間は、通常の出勤シフトに照らし合わせて、出勤に該当する日が休業手当の補償対象となります。
  労基法は、労働者の生活保障の観点から、使用者の責めに帰すべき事由により休業した場合、使用者に、その休業期間、平均賃金の60%以上の手当の支払義務を課しております(労基法26条)。
  まず、派遣社員の休日については、派遣元の就業規則に規定された休日が適用される一方、派遣元と異なる休日等の就労条件については、派遣先の労働条件を加味した就労条件明示書の範囲で派遣先の指揮命令に従うこととなります。
  今般のケースでは、会社間での契約にて、夏季等通常の休日と異なる長期休日期間につき、特段の取り決めを交わすことなく、結果として、就労条件明示書にも、当該長期休日期間についての記載もありませんでした。
  ついては、貴社の正規社員においては、貴社就業規則の定めに基づく長期休日期間である、8/8・9・10及び12が一斉休日とあっても、貴社勤務の派遣社員については、就労義務のある日でありながら、一斉休日で事業場への入場も禁じられているため、労務の履行が不能であると認められます。
  更に、当該休日期間は、貴社都合による休日である以上、使用者の責めに帰すべき事由に該当し、労基法26条に基づく、休業手当の支払い義務が発生致します。
  次に、休業補償手当の算出方法ですが、事由の発生する直近の給与締切日から過去3カ月の平均賃金となりますが、最低保証額の関係から、以下いずれか高い方の額を適用致します。
  
① 原則的な平均賃金算出式:総賃金÷総日数(暦日日数)
  ② 最低補償平均賃金算出式:総賃金÷労働日数×60%
  
尚、稼働が3カ月未満の方の平均賃金の算出方法ですが、雇い入れ後の期間をもって算出致します。
  
参考までに、1円未満の端数が生じる場合は以下の処理となります。
 ・平均賃金の算定:銭の単位まで求め、銭未満は切り捨て
(例)896,320÷90日=9,959.1111≒9,959.11
 ・休業補償の算定:平均賃金に所定日数を乗じて算出。特約が無い場合は、1円未満の端数を10銭の単位で四捨五入して支払。
(例)9,959.11×19日=189,223.09≒189,223

  最後に、年末年始にも同様の長期休日が発生致しますので、これを機に、貴社と派遣会社間の契約に、当該長期休日を定め、派遣社員へ交付される就労条件明示書にも、この休日が記載され、正規社員と同様に、就労義務の無い日として規定することで、休業補償の要件を発生させない運用に変えられるとよろしいでしょう。
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SR人事メディア編集部
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