有給休暇の消化を義務付け 本当に休みは取りやすくなる?

厚生労働省は企業に対して社員の有給休暇の消化を義務付ける検討に入りました。

ただし過剰な規制で企業の負担を増やさないよう、法的義務を課すのは有休20日分の一部にとどめ、今の制度で有休を十分に消化していれば義務を果たしたとみなす方針。未消化の社員が多い企業には罰則規定を設けるようです。

新しい仕組みでは下記のようなかたちになるとのこと。

スライド2

現在の制度では下記のようなかたち。

スライド1

従業員に時期決定権がありが休みたい日に休みを取れるようになっているが、実はこのようになっているために職場に対する遠慮から労働者が休暇を申し出にくい雰囲気が醸成されやすく、結果として有給休暇をフルで取得しにくい状況ができてしまっている。

自由に日にちを決めることが出来るために、

「みんなに迷惑がかかるから…」

と考える人が多いようです。

厚生労働省の意識調査でも、年次休暇を取得する際に、「ためらいを感じる」あるいは「ややためらいを感じる」人の割合は65.5%で、休暇をとることを躊躇する人が多いことという結果がでており、また、ためらいを感じる理由の最多は「みんなに迷惑がかかるから」(71.6%)であり、「職場の雰囲気で取得しづらい」という回答も31.3%ありました。

 

 

本当に休みは取りやすくなるのか?

上記の厚生労働省調査では、ためらいを感じる理由として、「後で多忙になるから」と答えた人も多くいました。

有給取得率の高いヨーロッパの企業では、労働者が長期休暇をとることを前提に、担当者間で常に仕事内容を共有し、誰が休んでも仕事が回るよう、普段から上司が仕事の配分をうまく管理をしてます。

日本の企業も、普段から上司が仕事の配分、量をマネジメントしなければ新しい制度が導入されても、結局はうまくいかないことになってしまうのではないでしょうか。

休みを取りやすくするための制度なのに、マネジメントがうまくできていなければ、長期休暇をとるためにその前後で無理をして、長時間労働をするということになれば本末転倒です。

うまく従業員に有給を消化させるようにするためにも、仕事の生産性を高めるためにも、大切なのはマネジメントや働きやすい職場を作るための制度が必要になってくるでしょう。

弊社では管理職研修や制度設計のサポートもさせて頂いております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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【参考】

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H1V_S4A001C1MM8000/?df=2

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141018-00000006-wordleaf-pol&p=1

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