中小事業主の方注目! 労災保険特別加入手続きの期間が変更になりました。
労災保険には、中小事業主等や海外派遣者といった保険適用されない人に対する特別加入制度が用意されています。この特別加入をするためには、事前に申請手続きを行い、都道府県労働局長の承認が必要とされています。そして、この手続きの期間が平成26年10月1日から変更になりました。
特別加入とは
特別加入制度とは、労働者以外の方のうち、業務の実態や、災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認める制度です。特別加入できる方の範囲は、中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者の4種に大別されます。
労災保険は、原則として日本国内で労働者として事業主に雇用され賃金を受けている方を対象としています。そのため、事業主・自営業主・家族従業者など労働者以外の方は労災保険の対象にならず、業務により負傷した場合などでも労災保険給付を受けることは出来ません。しかし、例えば中小事業の場合、事業主は労働者とともに労働者と同様の業務に従事する場合が多いこと、また、建設の事業などの自営業者は、いわゆる一人親方として、労働者を雇わずに自分自身で業務に従事するため、これらの方の業務の実態は労働者と変わらないことから、特別加入をすることによって労働者に準じて保護の対象となっています。
加入・脱退手続き等の期間の変更
特別加入の新規加入、業務内容などの変更、脱退の手続きにおいて、これまで14日以内の手続きであったものが、平成26年10月1日から30日以内に変更されました。具体的には、新規加入手続きであれば、「申請の日の翌日から14日以内で申請者が加入を希望する日」が加入承認日とされていましたが、「申請の日の翌日から30日以内で申請者が加入を希望する日」となっています。
給付基礎日額変更の事前申請期間の変更
給付基礎日額変更の事前申請とは、労災保険に特別加入している人に翌年度適用される給付基礎日額を変更するための申請をあらかじめ年度末(3月)に行うことをいいます。給付基礎日額の変更は、年度更新期間(平成27年6月1日から7月10日まで)にも行うことができますが、平成27年4月1日から申告書提出日までの間に万が一被災した場合、平成27年度には給付基礎日額を変更することができないという取扱いになります。そのため、給付基礎日額の変更を検討している場合はこの事前申請を利用することが求められます。そして、今回、この手続き期間も変更となり、これまで3月18日から3月31日までの14日間で手続きをすることになっていたものが、これからは3月2日から3月31日までの30日間の間に手続きができるようになります。
表 各種手続き例
各種手続き例
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手続可能期間
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平成26年11月1日から加入したい場合 | これまで | 平成26年10月18日から 10月31日まで(14日間) |
これから | 平成26年10月 2日から 10月31日まで(30日間) | |
平成26年11月1日から業務内容などを 変更したい場合 | これまで | 平成26年10月18日から 10月31日まで(14日間) |
これから | 平成26年10月 2日から 10月31日まで(30日間) | |
平成27年度から給付基礎日額を 変更したい場合 | これまで | 平成27月 3月18日から 3月31日まで(14日間) |
これから | 平成27年 3月 2日から 3月31日まで(30日間) | |
平成26年11月1日で脱退したい場合 | これまで | 平成26年10月19日から 11月 1日まで(14日間) |
これから | 平成26年10月 3日から 11月 1日まで(30日間) |
つまり、これまでよりも手続きをゆとりを持って行うことができるようになったということですね。労災保険の特別加入を考えていらっしゃる方は、各手続き期間を今一度ご確認の上手続きをご検討下さい。
弊社では各種社会保険手続き代行サービスを取り扱っておりますので、手続きに関して何かご不明な点やお悩みのことがございましたらお気軽に下記「無料労務相談のお申し込み」よりお問合せ下さい。
船水 希恵
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