【衝撃の新制度】 『WAA』がもたらす人材獲得への影響

前2つの記事でも触れている通り、ユニリーバ・ジャパンが新たな人事制度を取り入れましました。

その名も『WAA』 『Work from Anywhere and Anytime』。

 

今回は、その新制度がもたらす人材獲得への影響 というテーマで記事をお届けします。

 

 

そもそも『WAA』って何?

 

新人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)は、

働く場所時間社員が自由に選べる制度です。

  • 上司に申請すれば、理由を問わず、会社以外の場所(自宅、カフェ、図書館など)でも勤務できます。
  • 平日の6時~21時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決められます*1。
  • 全社員が対象で*2、期間や日数の制限はありません

 

従来の在宅勤務制度(2011年~)やフレックスタイム制度(2005年~)を見直し、新たに「WAA」を導入することで、働き方の多様性を高め、社員一人ひとりが自分の能力を最大限発揮できるよう支援していきます。

また、成果につながらない時間を減らし、業務効率の改善を図ります。これにより、生産性を高め、企業として持続的成長を目指します。

 

 

https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2016/WAA.html (ユニリーバジャパンHPより引用)

 

 

 中途採用へもたらす影響

この制度によって、最も働きやすくなる人はどのような人たちでしょうか。

それは、子育てや親の介護をしながら働かなくてはならない人たちです。

 

介護と仕事の両立を考え、パートタイム勤務、派遣社員といった選択肢を取らざるを得ない人がいらっしゃいます。この制度を取り入れることにより、介護・子育てと仕事を両立しつつ、正社員として働くことが出来ます。

 

また近年、女性活躍推進法の制定などにより、女性が働きやすい環境作りが推奨されています。

 

この人事制度は、子育てをしながらでも自分らしく働きたい、女性であってもキャリアアップを諦めたくない、というような

やる気や実力をもった女性を惹きつける要因となります。

 

 

つまり、この制度を取り入れ、そして宣伝していくことによって

働きたくても、介護・子育てといった事情により思うように働けなかった、

優秀な人材を訴求する要素になりえるのです。

 

 

新卒採用へもたらす影響

 

企業選び、待遇面を重視する傾向が強まる

 

2017卒の学生に企業選択で重視する面について尋ねたところ「将来性がある」46.4%、「給与・待遇が良い」41.9%、「福利厚生が充実している」39.4%の順となりました。「給与・待遇」「福利厚生」は昨年の調査よりも増加しています。また、「休日・休暇が多い」という回答も増加しました。待遇面を重視する傾向が強まっているようです。

 

待遇面を重視する傾向が強まる中で、

『自分のライフスタイルに合わせて働く場所や時間を決められる』という制度は、

就職活動中の学生にとって、とても魅力的なものに写るでしょう。

 

また、そういった直接的な理由だけではなく、間接的な側面からもこの新人事制度は意味を持ちそうです。

 

 

 

『雰囲気が良い』=『ワークライフバランスを重視』?!

 

昨年の就活生の考えや活動内容・結果を調査した、

『2016年3月卒業予定者の就職活動』 に関する調査をもとに、

学生が入社を決めた理由・要因を見てみます。

 

「入社予定企業の決定理由」を聞くと、1位は「会社の雰囲気」(38.1%)となり

次いで、2位は「業界」(31.4%)、3位は「職種」(30.2%)、「採用担当者や社員の人柄」(27.6%)となっています。

 

http://news.mynavi.jp/news/2015/10/12/023/ (マイナビニュース トレンド調査)

 

 

そして次に、今年度の就活生、つまり2017年3月卒業予定者の就職意識調査を見てみます。

 

職場の雰囲気は、企業選びの重要な要素の1 つとなっています。

そこで、学生が思う「雰囲気が良い」とは何なのか、学生が「雰囲気がよい」と感じる職場について尋ね、前年調査と比較した調査がありました。

その調査の中で、最も多くが選んだのは「ワークライフバランスを重視している」(63.3%)で、女子が男子を上回るが(女子70.6%、男子57.3%)、男子も過半数が選んでおり、もはや男女共通の認識と言えるでしょう。

 

前年調査で1 位だった「役職や年齢に関係なく自由に物が言える」(61.9%)は2位となりました。次いで、「アットホーム」「部門間の交流やコミュニケーションが盛ん」(56.5%)、「オフィス環境がきれい」(50.4%)、「物分かりのいい上司がいる」(45.8%)と続きます。

 

http://www.disc.co.jp/column/?p=3562

(2017年度 キャリタス就活 学生モニター調査結果)

 

つまり、学生にとって、「ワークライフバランスを重視している」ということは、

「職場の雰囲気が良い」と感じさせる要因にもなっているということが伺えます。

 

 

 

『入りたいと思える会社・その要因』 = 『雰囲気が良い会社』

『職場の雰囲気が良い』 = 『ワークライフバランスを重視』

 

 

 *****

 

 

働く場所・時間を社員が自由に選べる新制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)。

制度そのものも、社員の生活の質の向上や、モチベーション・生産性の向上へと繋がりますが、

それだけではなく、採用の場において大きなアピールポイントとなるようです。

働きたくても働けない人材がいる現状、残業が多い従来の働き方の見直しが叫ばれる現代において

この流れは加速していくのではないでしょうか。

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大石夏実

新卒採用業務の経験を積んだのち運用Gへ異動。大小様々な規模の企業の社会保険手続き等に携わりながら、もっと深堀したいこと、より詳しく紹介したいことを記事にしていきます。

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