障害者雇用の最前線と最大255万円の助成金活用術

平成27年4月から「障害者雇用納付金制度」の対象事業主が拡大されるため、新たに対策が必要となる企業様も多いのではないでしょうか。本日は障害者雇用の最新の動向と障害者雇用を促進する上で活用可能な助成金についてご紹介いたします。

目次

障害者雇用の最前線と最大255万円の助成金活用術

まず、障害者雇用の最新の法制度について

平成27年4月から、常時雇用する労働者数が100人を超える事業主が「障害者雇用納付金制度」の対象事業主となります。障害者雇用納付金制度とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき設けられた制度で、企業の雇用障害者数が法定雇用率(2%)を下回っている場合には、納付金の納付が必要となり、超えている場合は調整金等を受給することができる制度です。つまり、ざっくり申しますと、社員数が100名を超える民間企業においては、およそ常用労働者数50人に1人以上の割合で障害者を雇用しなければならないということになります。

障害者採用のこれからについてー労働市場の動きと今後注目される人材

障害者雇用納付金制度の対象範囲を拡大するなど、今後国策として大企業・中小企業問わず障害者雇用を拡大していこうという流れが予想されます。障害者採用を進める企業が増えていく中で、今後注目されてくるのは、精神障害者の採用であると言われています。障害者のなかでも知的・身体障害者については転職を希望する人材以上に求人数が多く、採用は難しい状況です。今後障害者採用に企業が取り組んでいくには、精神障害を持つ人たちをいかに採用していくかが重要と考えられます。

障害者雇用で成果を出した事例

精神障害者主体の事業部を作り、成果を上げている会社として、株式会社綜合キャリアトラスト様の事例をご紹介します。

 

以下記事引用

“人材サービス会社「綜合キャリアオプション」の特例子会社として2012年に設立された同社は、従業員数73名のうち障害者が45名と、実に6割以上。内訳は精神障害者が33名、知的障害者が2名、身体障害者が10名で、精神障害者が中心になっている。
障害者主体のCVT(Create Value Team)事業部では、それまで正社員・契約社員が行っていたデータ入力、書類の出力・封入・発送などのグループ社内業務を切り出し、障害者向けにマニュアル化することにより、同等の作業水準を実現。コスト効率を高め、現在では外部受託業務も行っている。このように成果を出せる障害者雇用・活用の仕組みを構築しているポイントは何か。…「立ち上げ当初から、精神障害者を中心に採用を進める方針を固めた。そのうえで、日常の行動の部分から教育することで精神障害者の職場定着を図り、戦力化していけると考え、研修を充実させている。会社に貢献し、戦力になっていると本人が実感できるような業務環境を整備していることも、当社の取り組みの特徴だ。たとえば、チーム制を取って、成果をチーム内で発表し合い、チームで目標を達成したときに喜びを分かちあう職場作りを行っている」。

引用元:HRプロ HRサミット講演レポート
障害者雇用拡大を求める最近の法改正に対して、企業がどう対応していくかが課題となっておりますが、障害があろうとなかろうと、その企業の中で仕事を通じてどう自己実現をしてもらうかが重要と考えられます。
障害を含めた社員のダイバーシティに対して、会社がどのように支援していくかその環境づくりが大切であることを上の事例が物語っています。

 

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環境整備のための助成金活用

企業におけるダイバーシティを推進する上で活用可能な助成金を2つご紹介いたします。障害採用に取り組む企業で中小企業に該当する企業であれば最大255万円の助成金を受給することが可能です。

①障害者雇用の経験のない中小企業が雇用率制度の対象となるような障害者を初めて雇用し、当該雇入れによって法定雇用率を達成する場合に支給される助成金

 

【助成金額】1,200,000円

 

②高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する社員(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる企業に対して支給される助成金

 

短時間勤務以外で重度障害者等を除く身体・知的障害者を採用した場合
【助成金額】1,350,000円(中小企業のケース)

 

企業におけるダイバーシティの実現にはソフト・ハードの両方において見直しが必要です。助成金だけでなく、補助金も充実しておりますので、これから施策を進める企業様はぜひ情報収集を勧めていただければと思います。(当社の助成金申請サービスはこちらをご覧下さい)

 

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mochida

(運用G所属)給与計算・社会保険手続業務を担当。人事労務のご担当者に伝わりやすい記事の作成を心掛けていきます。

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