ほんとうのブラック企業、ホワイト企業の見きわめ方を知っていますか?
たかの友梨ビューティクリニックの労働問題が世間を騒がせていますね。著名な創業女性社長が、残業未払で労働基準監督署に駆け込んだ女性従業員を 呼び出し、人前で長時間にわたり「会社をつぶしてもいいのか」と2時間半にもわたって罵倒し、女性がショックで出勤できなくなったという事件です。 事実がどうであったかはこれから明らかになるでしょうが、ここ数年、社会の企業の労務環境を見る目は明らかに厳しくなっているのは確かです。
これにはいくつかの理由があります。一つはネットの普及により、労働法の知識が簡単に検索で入手できるようになったこと。二つ目はドラマ「ダンダ リン」はじめて連ドラで労働基準監督署が取り上げられたり、「ブラック企業」という言葉が一般手的になったり、労務に対する問題が社会の関心を集 めるようになってきたこと。三つ目は司法改革により弁護士が増え、「借金過払い請求」にかわり「未払残業代請求」が一部の若手の弁護士の「メシの 種」になってきていることです。
そんな世の中の潮流とは裏腹に、数百人規模の会社でも恐ろしく労務制度がずさんな会社はまだまだ多い。そもそも残業をつけない。もちろん深夜割増 もつけない。勤怠の管理を全くせず毎月一律の労働時間で給与を払う。アルバイトは社会保険に加入させない。労働時間が1日9時間に設定している。 等、従業員100名以上の規模にもかかわらずよくこれまで労働基準監督署に指摘されることなく、会社を運営してきたな・・・とあきれることがあります。 たいてい一代でゼロから企業を築き上げた、人間的には非常に魅力に富む(笑)経営者がいる場合が多いのですが・・。
このような全く労務に無頓着な会社は「ブラック企業」と言われても仕方がありません。ただ一方で、ユニクロのように、キチンと人事制度、労働環境 を整えているにかかわらず、長時間労働や、アグレッシブな経営姿勢のみを取り上げて「ブラック企業」というレッテルを張る風潮には違和感を覚えます。 実際私の知人でもユニクロを自分を成長させられる環境として、時には長時間労働がありつつも日本を代表するグローバルアパレルとして、生き生きと働 いている社員の方を多く知っています。
ある程度上昇志向や成長意欲が強い若者にとって、スキルや経験という武器がない分、時間とエネルギーを職場で一時期費やすのは一流の仕事人になるた めにはやむを得ないところもあります。「ホワイト・ブラック」の評価についても、基本的な労働環境を守らないような会社は論外として、働く人の価値観 によるものも大きいのではないでしょうか。仕事は定時でそこそこ、趣味を楽しみたいという価値観の人にはホワイトな職場でも、成長意欲の強い人にとっ ては絶対に働きたくない会社であるということもあるでしょう。
大事なのは選ぶ側にとっては自分の価値観、どうなりたいか、という方向性にあった会社を 選ぶこと。会社側はどう会社の価値観とあった人材を採用して、定着させる仕組みを整えるかが大事なのです。
また企業としては、経理や財務と違う「ヒト」の問題だけに明確に割り切れない部分のある労務分野については、運用や知恵により「ホワイトに近いグレイ」 を最低限確保していくことが重要ではないでしょうか。
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