【2014年10月】A4一枚でわかる法改正・人事労務情報
目次
労務情報・法改正情報(2014年10月)
配偶者控除縮小は16年度以降に先送り(平成26年9月30日)
政府・与党は、専業主婦らがいる世帯の所得税と個人住民税の負担を軽くする「配偶者控除」の縮小を、今年の年末に議論する2015年度税制改正には盛り込まず、16年度以降の課題として先送りする方針を固めた。今年3月、政府は専業主婦がいる世帯の所得税を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討する考えを示していた。自民党政権の成長戦略の柱として「女性の活用」を掲げており、専業主婦に有利な制度を改めることにより、働く女性を税制面から支援するねらいがある。
有給消化の義務化を検討へ(平成26年10月3日)
厚生労働省は、早ければ2016年春の施行を目指すとし、中小を含む全企業に対して社員の有給休暇の消化を義務付ける検討に入った。未消化の社員が多い企業を罰則する規定を設けることで、欧州諸国に比べて圧倒的に低い日本の有給取得率を向上させるねらいがある。2020年には、直近の統計で47%だった取得率を70%へ引き上げる目標。
通勤手当の非課税限度額の引き上げ(平成26年10月20日)
2014年4月以後に支払われるべき、マイカー通勤者に対する通勤手当で、かつその額が従前の非課税限度額を超えている通勤手当が対象となる。既に支払われた通勤手当については、本年の年末調整か確定申告にて精算することになるが、前職分の源泉徴収票の再交付、源泉徴収簿への追加記載など、会社の人事担当者の負担が増えることが見込まれる。
妊娠をきっかけとした合意ない降格を無効とする最高裁判決(平成26年10月24日)
最高裁にて、「本人自身の意思に基づく合意か、業務上の必要性について特段の事情がある場合意外は違法で無効」との判決が初めて下された。妊娠をきっかけに配置転換を希望したところ、異動後に管理職の副主任を外された事案について男女雇用機会均等法に違反するかどうかが争われていた。これまで、同法は妊娠や出産、産休取得などを理由にした解雇の禁止に加え、2006年の改正で、降格や減給、配置転換などの不利益な取り扱いについて禁じている。
過労死等防止対策推進法が施行(平成26年11月1日)
過労死防止法は、防止対策を計画的に進める大綱づくりを国に義務づけている。遺族と労使の代表者、専門家で作る推進協議会から意見を聴いて案を作る必要があり、厚生労働省は近く推進協議会のメンバーの人選を固め、年内にも初会合を開く方針。2015年6月までの策定を目指す。
また、同法では、勤労感謝の日に合わせて11月を過労死防止啓発月間と定め、11月1日には1日限定で全国一斉に「過重労働解消相談ダイヤル」を設置するとした。9月1日には「労働条件相談ほっとライン」を設置していて、厚生労働省は長時間労働防止の対策を強化していくとしている。
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