短時間労働者の区分とは?

給与システムで社会保険の「短時間労働者」区分を選択する必要がありますが、チェックを付ける場合と付けない場合で何が違うのでしょうか。どのような従業員にチェックを付ければよいのか教えてください。

回答

回答いたします。
給与システムの「短時間労働者」区分は、社会保険の「短時間労働者の適用拡大」によって被保険者になった方を識別するための設定です。チェックの有無によって、算定基礎届・月額変更届で標準報酬月額を決めるときの「支払基礎日数」の基準が変わります。設定を誤ると標準報酬月額の計算を誤り、保険料の過不足につながります。勤務条件を確認して、正しく設定してください。

「短時間労働者」にチェックを付けるのは、所定労働時間または所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満でありながら、特定適用事業所(任意特定適用事業所を含む)で次の適用拡大の要件をすべて満たし、社会保険に加入した方です。
・週の所定労働時間が20時間以上
・2か月を超えて雇用される見込みがある
・学生でない
雇用期間が2か月以内の見込みの方や学生(夜間・定時制の学生などを除く)は、そもそも社会保険の加入対象外ですのでチェック判断の対象にもなりません。

一方、週の所定労働時間と月の所定労働日数がどちらも通常の労働者の4分の3以上の方は、パート・アルバイトという呼び方であっても一般の被保険者として扱います。この場合はチェックを付けません。判断の基準は雇用形態の名称ではなく、所定労働時間・所定労働日数です。

チェックの有無による違い(支払基礎日数の基準)
定時決定と随時改定では、支払基礎日数が一定以上ある月の報酬だけを使って標準報酬月額を算定します。この日数の基準がチェックの有無で変わります。
チェックなし(一般の被保険者):支払基礎日数17日以上の月が対象
チェックあり(短時間労働者):支払基礎日数11日以上の月が対象

たとえば、短時間労働者にチェックを付け忘れると、支払基礎日数が11日~16日の月は本来は算定の対象なのに除外されてしまいます。その結果、標準報酬月額が誤って決まります。
なお、随時改定の場合は、短時間労働者であれば変動月以降の3か月とも支払基礎日数が11日以上あることが要件になります。

設定時・運用上の注意点
契約変更で所定労働時間が増減し、4分の3基準をまたぐ場合は、その時点で区分を見直してください。特に算定基礎届の作成前(毎年6月~7月頭頃)には、対象者全員の区分を点検することをおすすめします。
また、賃金要件の撤廃により、これまで月額8.8万円未満で加入対象外だった週20時間以上の従業員が、2026年10月1日から新たに加入対象になっています。資格取得の手続きをするときは、給与システムでも「短時間労働者」区分を忘れずに設定してください。企業規模要件(現在は従業員51人以上)も、今後段階的に縮小され、社会保険の適用事業所が順次拡大される予定です。
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