「〇〇万円の壁」がよく分かりません!教えてください!

「年収の壁」が相次いで見直され、様々な「〇〇万円の壁」を目にしますが、よく分かりません。令和8年の制度では、住民税や社会保険、配偶者控除・扶養控除、所得税について、それぞれ年収いくらを目安に考えればよいのでしょうか。

回答

令和8年の制度を「給与収入のみ」の方を前提に整理すると、主な目安として「約119万円」「130万円」「136万円」「178万円」が挙げられます。

まず約119万円は、住民税が非課税となる目安です。東京都23区で扶養親族等がいない場合、令和8年中の収入に対する令和9年度住民税では、給与所得控除74万円と非課税基準45万円から、給与収入約119万円が一つの目安となります。ただし、住民税の非課税基準は自治体や扶養状況などによって異なりますので、「一律119万円」ではない点にご注意ください。

次に130万円は、社会保険の被扶養者となるための代表的な収入基準です。令和8年4月からは、労働契約上の賃金から見込まれる年間収入が130万円未満であることなどにより、原則として被扶養者と認定する新たな取扱いも始まりました。
▼労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202605/0501.html?utm_source=chatgpt.com

136万円は、所得税の配偶者控除や扶養控除に関係する目安です。令和8年分から所得要件が62万円以下となり、給与所得控除74万円と合わせると、給与収入136万円以下が一つの基準となります。
なお、配偶者については136万円を超えても、一定範囲では配偶者特別控除の対象となります。
また、19歳以上23歳未満の親族についても、136万円を超えた場合に直ちに控除がなくなるわけではなく、一定の要件を満たせば「特定親族特別控除」が適用され、親族の所得に応じて控除額が段階的に減少する仕組みとなっています。

そして178万円は、本人に所得税がかからない給与収入の目安です。令和8年分では、給与所得控除の最低保障額74万円と基礎控除104万円を合わせた178万円まで、他に所得がなければ原則として所得税はかかりません。

このように「年収の壁」は一つではありません。税金、社会保険、家族の税制上の扶養では基準も影響も異なるため、人事担当者は「何の壁なのか」を区別して従業員へ説明することが重要です。

なお、社会保険では、短時間労働者の加入要件の一つである月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」が令和8年10月に撤廃される予定です。賃金要件はなくなりますが、週の所定労働時間などの要件は残るため、「130万円未満であれば必ず社会保険の扶養に入れる」というわけではない点にも注意が必要です。
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公開日: 税務・税法

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