「伝える」だけでは変わらない。“行動の種”を一緒に育てる意識を。

評価面談は、「伝えたら終わり」ではなく、「これからどう変わっていけるかを共に考える始まり」です。
面談でのフィードバックがその後の行動につながるかどうかは、次の３つのステップを意識することで大きく変わります。

① 面談の最後に“自分の言葉でまとめてもらう”
面談でのフィードバック内容を、部下自身の言葉で振り返ってもらう時間を少しだけ取ってみてください。

たとえば、
「今日の話を通じて、自分なりに大事だと思ったことって何だった？」
「これからどんなふうに取り組んでいこうと思った？」

このような問いを通じて、部下自身が自分の考えを言葉にすることで、内面化が起きやすくなります。
こちらがいくら丁寧に伝えても、「受け止めて、行動に変える」ためには、本人の言葉での整理が必要です。

② 行動への“第一歩”を一緒に具体化する
評価面談の場で、「これから何をするのか」を部下が自分で決めるのは、意外と難しいものです。
抽象的な話だけで終わらず、「では、最初の一歩として、何をする？」と一緒に具体化していきましょう。

たとえば…
「来月の会議では、今より積極的に発言してみる」
「〇〇業務の進め方を一度見直して、提案してみる」

重要なのは、小さくてもいいので、行動に移せる“ひとつのステップ”を決めることです。

③ 面談後も“問いかけ”を続ける
フィードバック面談が終わった後、その行動が定着するかどうかは、その後の働きかけにかかっています。

たとえば、数週間後の1on1やちょっとした声かけで…
「あのとき話してたこと、少しやってみた？」
「やってみてどうだった？何か気づきあった？」

このようなさりげない問いかけが、部下の“気づき”や“学び”を引き出し、行動の継続を後押しします。
行動が定着するまでには時間がかかりますが、小さな声かけの積み重ねが、部下の成長を支える大きな力になります。

まとめ：面談はスタート地点。問いと関心で、行動が動き出す。

評価面談は、情報を伝える場ではなく、成長のきっかけを共に探す場です。
そして、その成否は面談中よりも、面談“後”の関わり方にこそ左右されます。
今日からできる小さな工夫として、
・最後に部下自身の言葉でまとめてもらう
・小さな行動の第一歩を一緒に考える
・面談後も問いを続ける
この３つを意識してみてください。
部下の「変わらない」が「少しずつ動き出す」感覚を、きっと実感できるはずです。