リハビリ出勤（試し出勤）制度とは、正式な職場復帰前に下記のような試し出勤制度を設け、早期の復帰に結びつけることを目的としています。

①　模擬出勤：職場復帰前に、勤務時間帯にデイケア等で軽作業やグループミーティング等を行った　　　　　
　　り、図書館などで時間を過ごす。
②　通勤訓練：職場復帰前に、自宅から職場の近くまで通常の通勤経路で移動を行い、そのまま又は職
　　場付近で一定時間を過ごした後に帰宅する。
③ 試し出勤：職場復帰前に、職場復帰の判断等を目的として、休職前の職場に試験的に一定期間継続し
　　て出勤する。

　この取り組みによって、長期休業している復職者にとっては、就業に関する不安の緩和、休職者自身が実際の職場にて自分自身や職場の状況を確認しながら復帰の準備を行うことができるため、より高い職場復帰率をもたらすことが期待されます。

　【留意点】
・リハビリ出勤（試し出勤）期間の処遇や災害が発生した場合の対応について、あらかじめ労使間で十
　分に検討し、一定のルールを定めておきましょう。
・リハビリ出勤（試し出勤）期間の作業について会社が指示を与えたり、作業内容が業務に当たる場合
　には、労働基準法等が適用される場合がありますので、その場合には賃金等について合理的な処遇を
　行う必要があります。
・制度の運用に当たっては、産業医等も含めてその必要性を検討するとともに、主治医からも試し出勤
　等を行うことが本人の療養を進める上での支障とならないかの判断を受けましょう。

　リハビリ出勤（試し出勤）は、再休職を防いだり、元の部署への復帰が可能かどうかの判断材料となる為、会社側にも大変有効な取り組みです。
　しかしながら、これらの制度が会社側の都合ばかりでなく、復職者の職場復帰をスムーズに行うことを目的として運用することが重要である点にも十分ご留意ください。